清水高がＡＬ型授業を公開　教えることで成長実感　習熟度別数学で「ＳＴＳ授業」

（学校 2016-11-21付）

３年生が１年生に数学を教えた

　【帯広発】清水高校（西嶋潤一校長）は七日、同校で東京大学の研究員を招いてアクティブ・ラーニング（ＡＬ）型の授業を公開した。東京大学大学総合教育研究センター特任研究員の山辺恵理子氏が来校し、全学年の数学の授業を視察。うち、一年次の「数学Ⅰ」では、樋口智一教諭らが習熟度別授業におけるＡＬ型の授業を展開した。

　同校は毎年、この時期に研究授業の機会を設け、同校教員や町内の中学校教員などに数学科の学習の様子を見てもらい、ＡＬ型授業における質の向上を図ってきた。

◆東大研究員が視察

　今回は、樋口教諭が行う「習熟度別展開授業におけるアクティブ・ラーニング型の授業」の話を聞きつけた同センターの山辺氏が、同校の授業を視察することとなった。

　この日は、ＡＬにかかる全学年の数学の授業を公開した。

　うち、一年「数学Ⅰ」では、樋口教諭らが習熟度別授業におけるＡＬ型の授業を展開。習熟度別に分かれた教室で、三年生が授業「発展数学」の一環で一年生に授業する「ＳＴＳ（ｓｔｕｄｅｎｔ　ｔｅａｃｈｅｒ　ｓｔｙｌｅ）授業」を行ったほか、ジグソー法を用いたグループ学習などを実施した。

　樋口教諭は「数学が嫌いな生徒が半数以上いたが、授業の中でＡＬの手法を取り入れることによって数学が好きになったと話す生徒が増えた」と成果を説明する。「社会に出たときには、人と話す機会が増えるので、それに向けた訓練になれば」と期待を寄せていた。

　山辺氏は「自ら課題をみつけ、主体的に授業に臨む生徒の姿が見られた。ＳＴＳ授業においても、三年生が責任をもって一年生に教えていた」などと評価していた。

　西嶋校長は「進学を希望する生徒をバックアップしたい」とし、「〝人に教える活動〟を通して、少しでも進路の実現に近づけば」と期待。また、東大との連携については、「今後、若い先生方が東大とのパイプ役として連携を密にし、北海道の教育を支えていってほしい」と語った。

(学校 2016-11-21付)