鶴居小が公開研究会開く 効果的な発問法など探る 道徳教育推進校授業公開に110人(学校 2016-11-22付)
2年生の授業「思いやりのある心で」
【釧路発】鶴居村立鶴居小学校(沢田恵美子校長)は十五日、同校で公開研究会を開催した。約百十人が参加し、二年生と五年生の道徳の授業を公開。研究協議や講演会なども行い、道徳の時間における効果的な発問や交流の在り方などについて考え合った。
昨年度から北海道道徳教育推進校事業の指定を受け、本年度から鶴居村教委の研究指定校となった同校の研究主題は「主体的に関わり合い、学びを広げる・深める子どもの育成~子どもの問いと豊かな関わりを生み出し、学びが連続する道徳の授業を通して」。
三ヵ年計画の二年次目で、一年次目は児童の実態を把握するための道徳性検査を踏まえた各学年の重点項目を決めた。さらに保護者・地域参観日での道徳の授業公開や保護者説明会、道徳通信「はあと・ふる」、学校だよりなどで情報発信し、家庭との連携を強化した。
授業では、児童同士の対話や意見交流などの言語活動や表現活動などを通じて、物事を多面的・多角的に考えさせ、児童が学ぶ意義を感じ、他者とともに議論しながら問題解決してきた。
当日、公開した授業のうち、二年生の道徳「思いやりのある心で」は田村亜里紗教諭が指導。本時では、「相手の思いや気持ちを考えた親切の良さが分かり、温かい心で親切にしようとする態度を育てる」ことをねらった。
田村教諭は学級内であった親切な出来事の写真を示したあと、「親切について考えよう」と課題を提示。資料『でん車の中で』を朗読した。
混雑した電車に乗った主人公が、妊婦をかばうように立っていた男性を見たときの話を振り返る物語。主人公の気持ちを絵文字などを用いて考えさせたあと、男性の親切なところについてワークシートに記入させた。
児童はペアで交流し、「知らない人のために頑張っていた」「先のことを考えている」などと発表していた。田村教諭は、男性や妊婦の気持ちについても考えさせ、「今までこのような親切をしたり、してもらったことはあるか」質問した。
児童は友人や兄弟の話を発表し合った。さらに田村教諭は、給食中にあった親切な出来事について写真で紹介し、「手伝ってあげるよ」と言ったときの相手の表情がどういうものだったら手伝うべきかも具体的に考えさせた。
最後に児童は本時を振り返り、「親切にすると、知っている人も知らない人もうれしくなる」「親切は人の気持ちを明るくする」「困っている人を助けたい」などとワークシートに記入していた。
◆筑波大附属小の加藤教諭が講演
授業後には研究部長の安達洋輔教諭が研究発表し、研究協議も行った。
午後からは、「子どもの〝問い〟を生み出す道徳授業」と題して、日本道徳基礎教育学会事務局長である筑波大学附属小学校の加藤宣行教諭が講演。道徳授業における質の高い多様な指導方法、発問の類型、良い教材、板書のポイントなどを示した。
評価の方向性については、「他者の考え方や議論にふれ、自律的に思考する中で多面的・多角的な見方へと発展しているか、道徳的価値の理解を自分自身とのかかわりの中で深めているか」などと評価の視点をまとめた。
(学校 2016-11-22付)
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