帯広柏葉高が国研指定校事業協議会　授業の改善点など協議　ＡＬ取り入れた数学公開

（学校 2016-11-18付）

１年の数学「確率とその基本性質」の授業

　【帯広発】帯広柏葉高校（島芳一校長）は十日、同校で国立教育政策研究所の教育課程研究指定校事業にかかる研究協議会を実施した。研究主題「思考力・判断力・表現力を育成する指導方法および評価方法の工夫・改善についての研究」のもと、アクティブ・ラーニング（ＡＬ）の手法を取り入れた各学年の数学の授業を公開。十勝管内をはじめ、石狩、空知、釧路管内などから五十人が参加し、より良い授業づくりに向けて協議を深めた。

　同校は本年度、道教委の学力向上実践事業（数学）のほか、国立教育政策研究所の教育課程研究指定校として、数学における思考力・判断力・表現力を育成する指導方法や評価方法の工夫・改善につながる研究を推進。粘り強く考えさせ、言語活動等を通じて、表現する力を育成させるなど、主体的・協働的な学びによる指導の工夫・改善に努めている。

　開会式の冒頭、島校長があいさつ。同事業における同校の取組を紹介した上で、「本研究協議会を通して、参加された先生方自身の課題解決、指導力の向上に役立ててほしい」と強調。「本校としては、本事業の方向性を確認し、今後の成果につながる課題整理ができる研究協議会にしたい」と期待を寄せた。

　続いて、各学年のＡＬの手法を取り入れた数学の授業を公開した。

　一年の数学Ａ「確率とその基本性質」では、荒谷栄喜教諭が指導。三人で行うペア学習や四人のグループワークの中でじゃんけんを行い、「あいこの確率」や「○君が勝つ確率」「勝者の出る確率」などを検証する授業を展開した。

　加藤秀和教諭が指導した数学Ⅱ「数列とその和」では、グループで数列の規則性やその和についてアイデアを出し合い討議。さらに、ほかのグループの答えを見て気づいたことについて討議を深め、答えやより良い解き方を導き出した。

　三年の数学Ⅲ「二次曲線」は関根裕彦教諭が指導。課題「ｙ＝ｘ上に焦点をもつ二次曲線の方程式を求める」「焦点をｘ軸とした場合に、曲線Ａと同じ形の曲線を描き、方程式を求める」「曲線Ｂの方程式から曲線Ａの方程式を導く」において、グループでの話し合いや意見交換を通して、グループごとの答えをまとめさせた。

　公開授業後には、授業の改善点などについて協議したほか、加藤教諭が同校の教育課程研究指定事業にかかる研究内容や推進している取組について報告した。

　このあと、文科省初等中等教育局視学官で国立教育政策研究所教育課程研究センターの長尾篤志調査官が今後の授業改善に向けて助言。ＡＬ型の授業の在り方についてふれ、生徒たちが自ら考え、疑問をもちながら学びを深める重要性を示した。

(学校 2016-11-18付)