創造性豊かな心の育成へ 第41回全高書研道大会開く(関係団体 2016-11-30付)
授業研究・研究協議のあと、ホテルライフォート札幌で開会式
第四十一回全日本高校書道教育研究会(=全高書研)北海道大会が二十一・二十二日の二日間、札幌市内で開かれた。全日本高校書道教育研究会・北海道高校書道教育研究会主催。全国各地から会員、関係者約二百四十人が参加。「書の“伝統と文化”に触れ、創造性豊かな“心の育成”をめざして~ことばと書美による触発」を大会テーマに掲げ、これまでの研究成果を踏まえ、生きる力を育む書道教育のあるべき姿を求め、研究協議・授業研究、分科会協議などを通して、地域に根ざした新しい時代に対応する書道教育を検証・発信した。
初日は市内三会場で授業研究・研究協議を実施。北海学園大学では札幌あすかぜ高校の吉野実穂教諭が書道Ⅰ「こころざしを表現する」の授業を公開し、漢字仮名交じりの書の学習「ことばと表現」をテーマに協議。北海高校では同校の土井伸也教諭が書道Ⅰ「名筆とのコラボレーション」の授業を公開し、漢字仮名交じりの書の学習「伝統に立脚した創造性を求めて」をテーマに協議。札幌南高校では同校の水間猛猪教諭が学校設定科目書道表現「絵画から感じたものを表現する」の授業を公開し、漢字仮名交じりの書の学習「鑑賞と表現」をテーマに研究協議を行った。
このあと、会場をホテルライフォート札幌に移し、開会式を行った。あいさつに立った全日本高校書道教育研究会の古溝茂会長(神戸市立神戸工科高校長)は「学習指導要領改訂に向けた作業が進む中、書道教員に何が求められるのか。その糸口を探っていくことこそ、我々に与えられた使命である」との考えを示した。
同大会について、「すでに授業研究が行われ、あすには分科会、情報交換会が行われる。授業研究や分科会を通して、全国の先生方の取組を情報交換するなど、さらなる進化に向けた大会となることを期待している」と述べるとともに、「様々な団体からも書写・書道教育に対する期待や応援の機運も高まっている今こそ、高校書道教育の必要性をアピールできる絶好の機会ととらえ、全国に発信できるよう、参加者の皆さんと盛り上げていきたい」と呼びかけた。
続いて、大会長を務める道高校書道教育研究会の塩﨑学会長(栗山高校長)が登壇。高校における芸術科書道において、「伝統と文化を尊重する態度の育成、国語教育・言語教育を重視する学校教育の充実がより一層求められ、書道教育によって培われるゆとりや潤いといった心の豊かさは、人間性を涵養し想像力を育む上で必要不可欠なもの」と指摘。大会を通じ、「これまでの本道での研究成果を発表し、生きる力を育む書道教育のあるべき姿を求め、地域に根ざした新しい時代に対応する書道教育を検証・発信していきたい」と述べ、実りある大会となるよう期待を込めた。
このあと、文部科学省初等中等教育局教育課程課の加藤泰弘教科調査官、道教委学校教育局高校教育課普通教育指導グループの佐藤一昭主査、札幌市教委学校教育部の山本真司教育制度担当部長が祝辞。
加藤教科調査官は「大会テーマのもと、近年の取組とその成果を全国に発信されることは、これからの書道教育の展開を考える上で、大きな意義を有している。授業研究や研究協議においては、“漢字仮名交じりの書”の授業実践のほか、あすには今後の学習指導要領改訂を見据えた新たな視点を盛り込んだ研究協議が予定されており、大きな示唆を与えていただけるものと確信している」と述べた。
佐藤主査は「本道の教育実践を全国の書道教育関係者の皆さんに発信できることを大変うれしく思っており、さらには、各地域における実践の報告や交流を通じて、全国の高校において書道教育の一層の充実が図られることを心から期待している」と呼びかけた。
山本教育制度担当部長は「子どもたちの芸術への永続的な愛好心を育み、感性を高め、豊かな情操を養うためにも、皆さん一人ひとりの教育に対する情熱と識見、何よりも創造的で着実な教育実践はもとより、日常の実践を基盤とする本研究会の取組と成果に期待する」と述べた。
二日目は、同ホテルで三分科会を実施。分科会A「言語活動の充実をはかる学習活動」では苫前商業高校の日暮豊教諭が「アクティブラーニングの授業実践~言語活動を中心に」、分科会B「鑑賞と表現の学習活動の在り方」では松前高校の天満谷貴之教諭が「拓本教材を活用した、鑑賞と表現を繋ぐ学習活動」、分科会C「評価のあり方を考える」では旭川南高校の齋藤肇教諭が「評価法の研究~ルーブリックを活用した授業の考察」をテーマに研究報告を行った。
さらに、全体討議・総括を行い、研究成果を共有し、全国へ発信した。
(関係団体 2016-11-30付)
その他の記事( 関係団体)
道視覚障害教育研究大会 マスメディアの役割理解 帯広盲中学部3年社会公開授業
道視覚障害教育研究大会(十一月十七・十八日、帯広盲学校)では、開会式に先立ち、帯広盲で公開授業が行われた。中学部三年社会「私たちの暮らしと民主政治」(秋山卓也教諭)では、各メディアの種類や...(2016-12-01) 全て読む
教材作成し生きる力育成 道放送・視聴覚教育研究函館・渡島大会
【函館発】第六十八回道放送教育研究大会・第六十二回道視聴覚教育研究大会合同大会函館・渡島大会が四日、函館短期大学付属幼稚園などを会場に開催された。大会テーマの「〝生きる力〟を育み、未来を拓...(2016-11-30) 全て読む
道放送・視聴覚教育研究函館・渡島大会で公開授業 スマホの使い方考えよう 函館市港中1年特活
第六十八回道放送教育研究大会・第六十二回道視聴覚教育研究大会合同大会函館・渡島大会(四日、函館市内)の公開授業は、函館短期大学付属幼稚園、函館市立高盛小学校、函館市立弥生小学校の三会場で行...(2016-11-30) 全て読む
全高書研道大会で公開授業 イメージを言葉で表そう 札幌南高3年書道表現
第四十一回全日本高校書道教育研究会道大会(二十一・二十二日、札幌市内)における公開授業のうち、札幌南高校(川口淳校長)では、三年生の学校設定科目書道表現「絵画から感じたものを表現する」(水...(2016-11-30) 全て読む
道P連と旭P連が旭川市研究大会 子のためにできることは 600人参加し講演や部会協議
【旭川発】道PTA連合会(佐藤彰会長)と旭川市PTA連合会(佐々木直人会長)は二十日、旭川地場産業振興センターをメーン会場に第五十七回旭川市PTA研究大会を開催した=写真=。大会テーマは「...(2016-11-30) 全て読む
異文化にふれ国際感覚養う ワークショップに生徒114人―札幌市立高校・特別支援学校長会
札幌市立高校・特別支援学校長会の国際教育推進委員会(梅原宏之委員長)は十二日、市立札幌大通高校で二十八年度国際理解ワークショップ「サークルザワールド」を開催した。市立高校八校から百十四人の...(2016-11-29) 全て読む
第59回中高英語教育研究大会開く 中高連携の英語教育追究 提言や公開授業、講演など
第五十九回道中学校・高校英語教育研究大会(=中高英研)が十八日、ホテルライフォート札幌で開かれた。道中学校・高校英語教育研究会、道中学校英語教育研究会、道高校英語教育研究会が主催。提言発表...(2016-11-28) 全て読む
道公教第3ブロック研修会開く 信頼される学校目指して グループ討議や講演などで研鑚
【函館発】道公立学校教頭会(=道公教、森田智也会長)は十八日、フォーポイントバイシェラトン函館で第三ブロック研修会を開いた。渡島・桧山管内、函館市内の教頭百人余りが出席。各地区の研修状況を...(2016-11-28) 全て読む
札幌市学校図書館協議会 読書感想文コンクール表彰式 キラキラ光る感性たたえる
札幌市学校図書館協議会(荻原啓会長)は十一月中旬、札幌市中央図書館で第六十二回読書感想文コンクール表彰式を挙行した。本年度は審査の結果、特別賞十七人、優良賞二十二人、学校賞一団体を表彰。受...(2016-11-28) 全て読む
石狩小中校長会が秋季経営研究会 円滑な学校経営推進へ 講話や研究協議で研鑚積む
石狩管内小中学校長会(西木祭会長)は十五日、北広島市内の石狩教育研修センターで秋季学校経営研究会を開催した。会員百四人が参加。講話や研究協議を通して、自校における円滑な学校経営の推進や職能...(2016-11-28) 全て読む