第59回中高英語教育研究大会開く 中高連携の英語教育追究 提言や公開授業、講演など
(関係団体 2016-11-28付)

第59回中高英語教育研究大会
200人が参加した

 第五十九回道中学校・高校英語教育研究大会(=中高英研)が十八日、ホテルライフォート札幌で開かれた。道中学校・高校英語教育研究会、道中学校英語教育研究会、道高校英語教育研究会が主催。提言発表や公開授業、講演などを通して主題「中高連携を踏まえた英語教育をどう進めるか」に迫った。

 開会式では、道中学校・高校英語教育研究会の毛内顯史会長があいさつ。国の英語教育をめぐる動きを展望し、「子どもたちが中学校に入学したとき、その子どもたちが小学校でどのような活動をして、何を学んできたのかということに、今まで以上に留意することが求められるし、それに伴って、授業も変わっていく。高校においても、生徒たちが小・中学校で学んできたことに注目して、理解を深めることが今まで以上に重要」との考えを示した。

 その上で、「今後、英語教育は、ほかの教科以上に、小中、中高、高大の接続や連携に力を入れなくてはならない。研究大会がもつ意義も、果たすべき役割も非常に大きい」と述べた。

 また、道教委学校教育局高校教育課の渡部慶一指導主事が来賓あいさつに立ち、研究大会の成果に期待を寄せた。

 このあと、札幌市立上篠路中学校の宮前順一教諭と札幌国際情報高校の木村純一郎教諭が提言を行った。

 宮前教諭は「一分間Small Talk~〝伝え合う〟経験を積み重ねるために」と題して提言した。

 宮前教諭は「恥ずかしいという気持ち」「正しい英語を話さなければという気持ち」が、生徒の英語を話そうとする意欲を妨げていると分析。英語で考えや気持ちを伝える経験を重ねる中で、「間違いを恐れず会話を継続しようとする力」を付けるため、「一分間Small Talk」の取組を始めたことを紹介した。

 取組では、①生徒が二人一組になり、教師が設定したテーマに基づいた一分間の「Small Talk」②ペアになって、全員の前で発表③生徒が言いたかったけれども言えなかった表現、教師が気づいた表現を、既習表現を使ってどのように表現できるか、教師と生徒が考え、「自己表現BOX」シートに書き込むなどの「シェアリング」④教師の評価として、ポジティブな声かけ―を行うもの。

 宮前教諭は、この「話す」活動をベースに、「聞く」「読む」「書く」の技能の育成につながったと報告。また、「生徒が達成感の一方で、うまく話せないことへのフラストレーションを感じ、つぎはもっとうまく話したいという思いから学習するという、いいサイクルを生むことができたのでは」と述べた。

 木村教諭は「目標の共有に向けて」と題して提言した。英語教育の目標について、「〝コミュニケーション〟に集約されるのでは」と指摘。また、コミュニケーション力を付ける前提として、「知識だけではなく、経験を得て、初めて力になる。英語は使わなければ身に付かない」と述べ、それらを踏まえ、授業の在り方などを考えていく必要性を挙げた。

 さらに、目標の共有に向けて、中高の英語教師が交流することを提案。「教師は、生徒の期待に応えられる力をもたなければならない。そのための経験を積まなければならない」と訴えた。

 午後からは公開授業を行い、札幌国際情報高の木村教諭が、札幌市立新川西中学校二年二組の生徒を指導した。

 また、上智大学言語学専攻の渡部良典教授が「学習を促進するテストをデザインする」と題して講演した。

(関係団体 2016-11-28付)

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