不登校児童生徒の支援充実へ 連携等の在り方議論 道教委が連絡協議会開く
(道・道教委 2016-12-27付)

道教委不登校児童生徒支援連絡協
105人が参加し、実践発表や協議を行った

 道教委は二十一日、道庁別館で不登校児童生徒支援連絡協議会兼教育支援センター等の設置促進支援事業連絡協議会を開催した。教育支援センター(適応指導教室)指導員や学校関係者など百五人が参加。実践発表や協議を通して、不登校児童生徒の支援にかかわる各機関の具体的な連携策や効果的な支援の在り方について理解を深めた。

 教育支援センター等の設置促進支援事業は、文部科学省が本年度から取り組む(都道府県教委等に委託)フリースクール等で学ぶ不登校児童生徒への支援モデル事業の事業メニューの一環。不登校児童生徒一人ひとりの状況に応じ、社会的自立に向けて学習などの活動に取り組むことができるよう、学校や教育行政機関、教育支援センターなどが連携して支援を行い、総合的な教育支援体制の構築を図るもの。道教委は、岩見沢、石狩、小樽、苫小牧の四市教委に再委託。

 事業メニューとその内容は、①新規設置(新規に設置を予定している教育支援センターに設置運営に携わる人材を配置)②アウトリーチ型支援(教育支援センターに通うことが困難な不登校児童生徒に対し家庭訪問などを通じて支援)③教育支援センター等の機能拡充(不登校児童生徒のアセスメントなどを担う人材を配置)。

 連絡協議会は、教育支援センター(適応指導教室)や民間の施設の指導員、学校関係者などが、実践発表や協議を通して、不登校児童生徒の支援にかかわる各機関の具体的な連携策や効果的な支援の在り方について考え、今後の実践に資することを目的に開催。教育支援センター(適応指導教室)指導員や民間施設の指導員、小・中・高校、特別支援学校の管理職・教員など百五人が参加した。

 開会に当たって、川端雄一学校教育局参事(生徒指導・学校安全)があいさつ。道内小・中学校の不登校児童生徒数が二十七年度まで三年連続増加している中にあって、「各学校では、学級担任や養護教諭、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーなどの学校関係者が児童生徒や保護者と十分話し合うとともに、“児童生徒理解・教育支援シート”を作成・活用して、個々の児童生徒ごとに不登校になったきっかけや継続理由を的確に把握することや、教育支援センターなどの公的機関や民間施設とも情報共有しながら、一人ひとりの多様な課題に対応した切れ目のない組織的な支援を推進していくことが重要になってきている」と指摘。

 当日の内容を説明した上で、「関係機関の連携による不登校児童生徒への支援の在り方について、各機関の役割について確認したり、協働できる取組を模索したりするなどして、今後の取組に役立てていただきたい」と期待した。

 学校教育局参事(生徒指導・学校安全)の吉村教賢主幹が「本道の不登校児童生徒の状況について」説明したあと、本年度、教育支援センター等の設置促進支援事業に取り組む、岩見沢、石狩、小樽、苫小牧の四市教委の担当者が事例発表。「アウトリーチ型支援」や「教育支援センターの機能拡充」にかかる具体的な取組内容、期待する効果や事業評価方法と成果指標について報告、説明した。

 このあと、不登校児童生徒の支援にかかわる各機関の具体的な連携策や効果的な支援の在り方について、グループで協議し、今後の支援の充実に向け、思いを共有した。

(道・道教委 2016-12-27付)

その他の記事( 道・道教委)

学力の確実な定着に向け授業改善―道教委 組織的な取組充実を提起 子どもの丁寧な見取りが鍵

P01黒田・新年号トップ・学校質問紙調査結果と児童生徒質問紙調査結果の比較  学校が指導を行ったと考えていても、児童生徒がそのように受け止めていない―。道教委が、本年度全国学力・学習状況調査結果を詳細に分析してまとめた『北海道版結果報告書』では、学校と児童生徒との認...

(2017-01-01)  全て読む

【新春インタビュー】道教委・柴田達夫教育長に聞く―来たるべき未来見据えた教育を 「自立」と「共生」の理念踏まえて

P04寺島・柴田教育長インタビュー写真① ◆学力・体力、29年度に全国平均以上へ  ―調査開始から十年目となる全国学力・学習状況調査の分析結果や検証から明らかになった成果と課題、今後の取組の方向性についてお聞かせ下さい。  調査...

(2017-01-01)  全て読む

【社説】新学習指導要領の理念実現へ

概ね十年に一度行われる学習指導要領の改訂作業が終了し、本年度中に文部科学省から告示される予定だ。  二十六年十一月、文部科学大臣は、中央教育審議会に対して「初等中等教育における教育課程の...

(2017-01-01)  全て読む

「応援パートナー」募集 道が未来人財応援基金創設

 道は、「北海道未来人財応援基金」を創設した。未来や世界を見据え、チャレンジ精神にあふれ、優れた能力をもつ若者の様々な挑戦を応援するもの。二十二日に、同基金設置条例が施行され、創設の運びとな...

(2016-12-28)  全て読む

オホーツク局が学力向上推進研修会 学力等調査結果の活用法学ぶ 小・中の教諭ら80人参加

学力向上推進研修会  【網走発】オホーツク教育局は二十一日、オホーツク合同庁舎で二十八年度学力向上推進研修会を開催した。網走市や北見市を中心に小・中学校教諭ら約八十人が参加。二十八年度全国学力・学習状況調査の分...

(2016-12-27)  全て読む

道教育推進会議高校専門部会が初会合 高校づくり3視点を審議 新しい指針の作成に向けて

高校専門部会  道教育推進会議高校専門部会の初会合が二十一日、道庁別館で開かれた。道教委が作成作業を進める高校教育に関する新しい指針について、有識者の意見を聴取するため、新設されたもの。全八回の専門部会を...

(2016-12-26)  全て読む

28年度第5回道教育推進会議 キャリア教育などで議論 新教育長計の策定に向けて

道教育推進会議  二十八年度第五回道教育推進会議が十九日、札幌市内の道第二水産ビルで開かれた。新しい道教育長期総合計画の策定について、事務局作成の骨子案に基づき、審議。出席した委員からは、「キャリア教育につ...

(2016-12-26)  全て読む

道社会教育委員の会議開く 地域との連携・協働へ 道内2町教委が事例発表

道社会教育委員の会議  道社会教育委員の第二回会議が十九日、札幌市内のかでる2・7で開かれた。審議テーマに迫るため、先進的な取組を展開している東神楽町教委と壮瞥町教委の担当者がコミュニティ・スクール(CS)と地域...

(2016-12-26)  全て読む

道教委が教育功績者表彰式 本道教育の振興に尽力 決意も新たに各地で実践

道教委教育功績者表彰式  道教委は二十日、ホテルライフォート札幌で二十八年度道教育功績者表彰式を執り行った。柴田達夫教育長が「本道の教育の振興に多大な尽力をし、顕著な功績を残した」と受賞者の栄誉をたたえ、一人ひとり...

(2016-12-22)  全て読む

科学の甲子園道大会決勝大会 室蘭栄高チームが優勝 来年3月の全国大会出場へ

科学の甲子園道大会  道教委は十日、札幌啓成高校で二十八年度科学の甲子園道大会決勝大会を開いた。道高校文化連盟理科専門部共催。一次予選を勝ち抜いた十二チームが出場し、筆記競技、実験競技、総合競技に臨んだ。審査の...

(2016-12-22)  全て読む