JICA事業で道教育大 問題解決型授業導入を サモアから担当部長招き交流(学校 2017-01-10付)
シマヌ部長がプレゼンテーション
道教育大学は、JICA草の根技術協力事業「サモア独立国初等理数科教育における問題解決型授業の展開」プロジェクトの一環として、二十八年十二月中旬の八日間、サモア教育・スポーツ・文化省のイニペネ・シマヌ初等教育担当部長を招き、プレゼンテーションや意見交換などを行った。
同プロジェクトは、二〇一四年度からスタートし、本年度が最終年度。これまで、同大学から教員などを専門家として延べ二十七人・四十七回派遣し、延べ二千十二人・百二十四回のサモア人教員が参加したワークショップ・研究授業等を開催するなど、サモアに対して、同大がもつノウハウの技術移転を行ってきた。
プロジェクトが最終年度を迎えたことから、その成果や終了後のサモア側のアクションプランを確認するため、八日間にわたって、サモア側でプロジェクト終了後のキーパーソンとなるサモア教育・スポーツ・文化省のシマヌ初等教育担当部長を招へいした。
六日目には、「PMSP、変貌への戦略」と題して、約二時間、シマヌ部長によるプレゼンテーションと意見交換を行った。
シマヌ部長は、プレゼンテーションの中で、サモア側がPMSPと呼称する同プロジェクトの成果を説明。現在、全国の約半数の七十一校が、プロジェクトの対象となっており、「問題解決型授業」の知識を教員が習得し、次第に自校で展開し始めていること。プロジェクトが開始されてから、サモアで実施されている全国一斉能力試験において、男女ともに、算数の基礎学力が向上していることなどを報告した。
プロジェクト終了後の計画については、教育・スポーツ・文化省が問題解決型授業手法の普及を年間マネジメント計画に組み込むことで、予算を確保し強化・奨励。問題解決型授業手法に関する教員研修を積極的に推進し、二〇一八年までには、国内の全小学校で、「問題解決型授業」を理数科だけではなく、全教科に導入すること。そのために、モニタリングを含めた教員研修のシステムを再構築することなどを発表した。
また、教育の最大の目的は、「知識」ではなく、「アクション」であり、教育によって児童に自信が育まれ、自信が希望につながり、希望が平和につながる。こういったプラス思考の連鎖に、同プロジェクトが貴重な一石をサモアに投じたと締めくくり、同大学に対する感謝の意を表した。
シマヌ部長は、プレゼンテーションに先立ち、蛇穴治夫学長を表敬訪問。また、道教育大附属札幌小学校と札幌市立大倉山小学校を訪れ、理科・算数の問題解決型授業を視察したほか、英語の授業に飛び入り参加した。
このあと、ことし二月には、同プロジェクトの「引渡式」がサモアで開催される予定。同プロジェクトが、サモア側の自助努力によって、国内で「問題解決型授業」がさらに普及できるよう、同大学では、継続的に支援していく。
(学校 2017-01-10付)
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