上川局が道徳教育ステップアップ研修 多様な価値観引き出して 教科書検定審の木下主幹教諭招く(道・道教委 2017-01-18付)
木下主幹教諭は、教科化に向けた授業づくりのポイントを解説した
【旭川発】上川教育局は十三日、旭川市市民活動交流センターCoCoDeで局独自の取組として、二十八年度管内道徳教育ステップアップ研修会を開いた。文部科学省教科用図書検定調査審議会専門部会(道徳)委員で、福岡県福津市立上西郷小学校の木下美紀主幹教諭が講義。管内の小・中学校および特別支援学校から八十六人が参加し、自校の道徳教育の充実に向け研鑚を積んだ。
この日、木下主幹教諭が「〝特別の教科 道徳〟実施の展望を見据えて~今だからできる多様な授業づくりを」と題して講義した。
教科化を見据えた授業づくりの留意点として、①問題意識を大切にする②子どもの多様な価値観を表出させる言語活動の工夫―の二点を示した。
①について、特に導入場面での問いかけの重要性を強調。有効な手法として、行為や心情など二つの事象を比較させることで子どもの疑問を引き出すやり方を挙げた。
②については、「役割演技では、実際にやってみてどんな気持ちになったのか、子どもが自分ごととしてとらえることが大切」と助言していた。
評価について、「学習の目標をはっきりさせ、子どもたちが目標まで到達できたか、また、表現活動の様子をしっかり見てほしい」とアドバイスした。
続いて、『わたしたちの道徳』の「心と心のあく手」を用い、木下主幹教諭による模擬授業を行った。
おばあさんの代わりに荷物を持とうと声をかける子どもがいて、相手に喜ばれる絵と相手が遠慮して困る絵を提示し、どちらが親切か尋ねた。その上で、「本当の親切について考えよう」と課題を提起。自分だったらおばあさんに声をかけるか参加者に問いかけ、隣同士で話し合わせた。
参加者は、木下主幹教諭が自作した、自分の気持ちを九段階で表した心情メーターを使って自分の考えを発表。木下主幹教諭は中心発問として、「どの発表も相手のためを思っている。資料で見守る行動をとった子どもはどんな心があったのか」と問いかけた。
参加者は「気になる」「いてもたってもいられない」「一人で歩けるようになってほしい」などと回答。それらの意見に順位付けをし、理由を述べた。
木下主幹教諭は「このあとの授業は、価値付けしたものをもとに、本当の親切について子どもたちが自分なりに考えるようにしてほしい」と解説。「教科化に向け、今の子どもたちにあった体験的で創造的かつ、こだわりのある授業を目指してほしい」と呼びかけた。
(道・道教委 2017-01-18付)
その他の記事( 道・道教委)
チーム学校推進セミナーを初開催―空知局 業務効率化の事例共有 札幌市発寒西小・新保校長が講演
【岩見沢発】空知教育局は十一日、空知合同庁舎で「オール空知で取り組む〝チーム学校〟推進セミナー」を開催した。今回初めて開いたもので、約九十人が参加。文部科学省教育情報セキュリティ対策推進委...(2017-01-19) 全て読む
全道防災教育研究フォーラム開く 災害に強い地域づくりを 防災担当者がリレートーク
道教委は十七日、道庁別館地下大会議室で二十八年度「全道防災教育研究フォーラム」を開いた。「防災キャンプ推進事業」(鹿部町教委)、気象台と学校の連携による「学校防災教育」(札幌管区気象台)、...(2017-01-19) 全て読む
最優秀は七飯町給食センター 道学校給食調理コンクール
道教委と道学校給食会は六日、札幌市内の道学校給食会で道学校給食調理コンクールを開いた。全道の学校・調理場から五チーム十人が出場し、エゾシカ肉を使った学校給食メニューを調理。審査の結果、最優...(2017-01-18) 全て読む
全日制216校342学科で 29年度公立高入選実施校
道教委と札幌市教委は十七日、二十九年度公立高校入学者選抜実施学校数などを発表した。 入選の実施学校数は、二十八年度より四校減の二百二十七校。課程別内訳は、全日制単置が百八十五校、全定併...(2017-01-18) 全て読む
安全教育モデル構築―道教委 専門的視点で避難路検証 文科省委託事業で白糠町と八雲町がモデル案
道教委が取り組む文部科学省委託「北海道実践的安全教育モデル構築事業」で、本年度モデル地域となっている白糠町と八雲町は、十七日に開かれた検討会で、モデル案を提案した。白糠町の防災教育モデル案...(2017-01-18) 全て読む
小・中の校務支援システム導入 年間117時間の軽減効果 道教委が実践成果報告会
小・中学校における共同利用型校務支援システム導入によって、学級担任一人当たり年間平均百十六・九時間の校務が軽減され、時間外勤務の減少や授業準備にかける時間の増加、子どもと向き合う時間の増加...(2017-01-17) 全て読む
道生涯学習審議会センター部会 新たにカレッジ生交流講座 道内4地区でセミナー開講も
第三回道生涯学習審議会センター部会が十三日、札幌市内のかでる2・7で開かれた。前回までに審議されていた道民カレッジの事業内容の見直しのほか、二十八年度実施状況、二十九年度運営計画案などを審...(2017-01-17) 全て読む
知的障がい高等部29年度入選 定員936人に対し818人出願 当初出願状況―道教委まとめ
道教委は十三日、公立知的障がい特別支援学校高等部の二十九年度入学者選考当初出願状況(十二日現在)を発表した。職業学科設置校(普通科含む)は定員八百八十人に対し百五十人下回る七百三十人、また...(2017-01-16) 全て読む
道教委がイングリッシュキャンプ 英語漬けの生活を満喫 25人参加しALTと交流
【帯広発】道教委は四日から三泊四日の日程で、ネイパル足寄を会場に「イングリッシュキャンプ in Ashoro~ウィンターキャンプ」を開催した。管内外から小・中学生二十五人が参加。子どもたち...(2017-01-16) 全て読む
道教職員美術展中央展開く 全道の力作150点展示 25日からは根室で移動展
公立学校共済組合道支部・道公立学校教職員互助会・日本教育公務員弘済会道支部は七日から五日間、札幌市民ギャラリーで第四十七回道教職員美術展中央展を開いた。特選・奨励賞・入選作品と招待作品を合...(2017-01-13) 全て読む