安全教育モデル構築―道教委 専門的視点で避難路検証 文科省委託事業で白糠町と八雲町がモデル案
(道・道教委 2017-01-18付)

 道教委が取り組む文部科学省委託「北海道実践的安全教育モデル構築事業」で、本年度モデル地域となっている白糠町と八雲町は、十七日に開かれた検討会で、モデル案を提案した。白糠町の防災教育モデル案は、「専門的な視点を加えた避難経路&場所の検証」「ピンポイントの災害想定に基づく避難訓練」「避難訓練に向けた事前指導と環境整備」の三点、また、八雲町の交通安全教育モデル案は、「現状の把握」「児童生徒や保護者等の実態、認識の把握」「課題解決の具体的な方策の明確化と実地検証」「実践と取組状況の周知(普及・啓発)」の四点をそれぞれポイントに挙げている。

 同事業は、文科省の委託を受け、道教委が市町村教委と連携し、防災教育や交通安全教育などについて、指導方法や教育手法の開発・普及、通学時を含む学校における児童生徒の安全確保体制の構築・普及、学校外の専門家による指導助言などを行い、「北海道実践的安全教育モデル」を構築。全道に普及させ、学校における安全教育・安全管理の一層の充実を図る。

 本年度はモデル地域として、白糠町が防災教育、八雲町が交通安全教育と交通安全管理体制の構築に取り組んだ。

 道教委と文科省は十七日、道庁別館で二十八年度北海道実践的安全教育モデル検討会(第二回北海道実践的安全教育モデル構築推進委員会)を開催。そこで、白糠町教委の中岡美緒指導室長が防災教育モデル案、八雲町教委の本庄伯幸参事が交通安全教育モデル案を提案した。

 白糠町の防災教育モデル案は、「専門的な視点を加えた避難経路&場所の検証」「ピンポイントの災害想定に基づく避難訓練」「避難訓練に向けた事前指導と環境整備」の三点がポイント。白糠小学校をモデル校に、地震と津波の発生を想定し、実践的な防災教育や避難訓練の実施に主眼を置いた。

 「専門的な視点を加えた避難経路&場所の検証」では、教職員や防災教育を専門とする大学准教授、気象台防災官、町教委職員によるワーキンググループを編成し、フィールドワークを実施。災害時に被害を受ける可能性のある避難経路個所や、避難後に安全確保の妨げとなる個所を確認した。

 「ピンポイントの災害想定に基づく避難訓練」は、専門家の詳細な災害想定に基づき、全国瞬時警報システム「J―ALERT」の活用を取り入れた避難訓練を構築した。

 「避難訓練に向けた事前指導と環境整備」では、自助・共助の意識を高める事前指導を行うとともに、校区内の地域住民に対し、訓練への協力を要請した。

 一方、八雲町の交通安全教育は、落部小学校・落部中学校をモデル校に実施。「現状の把握」「児童生徒や保護者等の実態、認識の把握」「課題解決の具体的な方策の明確化と実地検証」「実践と取組状況の周知(普及・啓発)」の四点がモデル案のポイントとなっている。

 「現状の把握」では、校区・通学路における交通事故の発生状況や危険個所などを把握。また、関係機関等と連携し、校区や通学路の現状をつかんだ。

 「児童生徒や保護者等の実態、認識の把握」では、アンケートを実施。交通安全に関し、児童生徒の通学時の状況や地域の実態、保護者や地域住民の認識を把握した。

 「課題解決の具体的な方策の明確化と実地検証」では、教職員やPTA、町教委、北海道開発局などが連携し、危険個所等を把握するため、通学路の合同点検を実施。交通安全に関する課題解決のための具体的な手立てを明確化した。

 「実践と取組状況の周知(普及・啓発)」は、学校だよりや広報誌などを活用した広報活動を実施。関係機関等と連携し、計画的・継続的なハード面の整備などを進めた。

 検討会で両町教委は、モデル案のポイントに基づき、モデル指導案も示した。

(道・道教委 2017-01-18付)

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