【解説】企業は課外活動の経験重視

（解説 2017-01-19付）

　経済同友会が公表した所属企業に対する「企業の採用と教育に関するアンケート調査」（二〇一六年）結果によると、直近一年間の平均採用数について、一部の企業において大量採用があったため、前回（二十六年）調査に比べ大学学部卒業者（六二・二人→九五・二人）、高校卒業者（三六・六人→六五・八人）が大幅に増えていることが分かった。

　調査は、昨年九月から十月にかけて実施し、百九十七社から有効回答を得た。中学校・高校と大学・大学院に分け、「直近一年間の新卒採用活動状況」や「学校への期待」などについて聞いた。

　「学校への期待」に関する質問で、企業が人格面で中学校・高校に期待することは、「対人コミュニケーション能力の養成」が八六・〇％で最も多く、次いで「ストレス耐性（折れない心・粘り強さ）」が六八・九％、「基本的生活習慣や社会人としてのマナー教育」が六五・八％。

　教育面では、「基礎学力の養成」が九二・三％で最も多く、「一般教養教育」が七五・八％、三位は「論理的思考能力や問題解決能力の養成」が六〇・三％だった。

　経験面では、「クラブ活動、サークル活動などの課外活動」が九六・四％と圧倒的に多数を占め、「ボランティアなどの社会活動」八一・八％、「海外留学など国際交流活動」七五・五％と続いた。

　小・中・高校生を対象とした職場体験や会社見学については、過半数の企業が「提供している」、または「個別要望により検討」と回答。前回調査に比べ、小学校（四三・七％→五二・〇％）、中学校（四五・〇％→五五・一％）、高校（五〇・九％→六二・八％）と、いずれも大幅に増えている。

(解説 2017-01-19付)