帯広市が第3次食育推進計画原案 朝食食べない子をゼロに 推進サポーターの充実盛る(市町村 2017-01-26付)
【帯広発】帯広市は、二十九~三十三年度の五年間を計画期間とした「第三次帯広市食育推進計画」の原案をまとめた。基本理念「すべての市民が〝食〟に関心をもち、健全な〝身体〟と豊かな〝心〟を育み、元気な〝地域〟を目指す」のもと、三つの基本方針と十の基本施策を設定。数値目標として、「朝食を欠食する小学六年生と中学三年生の割合」は〇%、「食事を家族などと一緒に食べる児童生徒の割合」は一〇〇%を目指している。
同市では近年、核家族、単身者、高齢者世帯の増加といった家族形態の変化や、共働き世帯の増加など社会構造の変化、暮らしの多様化が進み、食を取り巻く環境が大きく変化していることから、十七年六月に制定された食育基本法に基づき、十九年九月に帯広市食育推進計画(十九~二十三年度)、二十四年三月に「第二次帯広市食育推進計画(二十四~二十八年度)」を策定。
二十六年度には、「地域資源を活用した農林漁業者等による新事業の創出等および地域の農林水産物の利用促進に関する法律」で定める「地域の農林水産物の利用の促進についての計画(促進計画)」として位置付け、各種取組によって食育の推進、地産地消の推進を図ってきた。
しかし、これまでの取組で市民の食育に対する関心が高まるなど一定の成果が現れている一方、児童生徒が朝食を欠食する割合の増加や、食事を家族と一緒に食べる割合が減少するなど、依然として課題がある。
このことから、さらなる市民の心身の健康増進や地域の活性化に向けて、国や道における施策や、同市のこれまでの食育推進の成果と食をめぐる状況の変化・諸課題を踏まえて、「第三次帯広市食育推進計画」を策定することとした。
基本理念は、「すべての市民が生涯にわたって〝食〟に関心をもち、健全な〝身体〟と豊かな〝心〟を育み、食の魅力があふれる元気な〝地域〟を目指します」。
推進に当たっては、食の恵みを通じて、すべての市民が生涯にわたって食に関心をもち、健全な身体と豊かな心を育むとともに、食と農林漁業を柱とする「フードバレーとかち」の旗印のもとに、食の魅力があふれる元気な地域を目指す。
基本理念の実現に向けて、①食の環(わ)を広げて育む健康な「身体」②食の環を広げて育む豊かな「心」③食の環を広げて育む元気な「地域」―の三つの基本方針と、「規則正しい食習慣を身に付ける」「伝統的な食文化への意識を深める」など十の基本施策を柱に食育を推進していく。
また、基本理念の実現に向けた基本施策の成果や達成度を把握するための数値目標を設定。「朝食を欠食する市民の割合」のうち、小学校六年生と中学校三年生の目標を「〇%」としたほか、「食事を家族などと一緒に食べる児童生徒の割合」は、どちらも「一〇〇%」とした。
「学校給食における地場産野菜の導入率」は、現在の五三・七%から「七〇%以上」へと拡大。「農業体験をしたことのある市民の割合」は、中学校三年生で「九五%以上」を目指す(小学校は現状九六・三%で目標値を上回っている)。
具体的な活動としては、学校における食育をはじめ、農業体験学習、教師や保護者向けの食育講演会、地元産食材を使用したふるさと給食、栄養バランスを考えて献立を選択するバイキング給食、行政や関係団体等が連携した食育フェスティバルなど、第二次計画からの事業を継続・充実する。
特に、農作物の栽培、郷土料理のつくり方など、食に関する技術や知識をもつ個人、企業、グループに登録してもらい、市民等からの依頼に応じてマッチングを行う「食育推進サポーター事業」については、登録者を拡大し、市民に向けた食育活動の拡充を図るとともに、サポーター同士の連携を深めることで、「食の環」を広げ、さらなる食育の推進を図る。
なお、計画案は市のホームページで公表している。
(市町村 2017-01-26付)
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