札幌市教委の五輪教育推進事業―大倉山小4年生・ミュージアム活用
(市町村 2017-01-26付)

大倉山小ウィンタースポーツミュージアム
ミュージアム職員が出前授業を行い、札幌冬季五輪が地域にもたらした効果について説明した

 札幌市教委は二十八年度からオリンピック・パラリンピック教育推進事業に取り組んでいる。冬季五輪大会を開催した札幌市の歴史と伝統を踏まえた学習を通して、児童生徒の五輪への理解を深めるとともに、「ふるさと札幌」を愛する心の育成を目指すもの。「学校にオリンピアン・パラリンピアンを招いて行う学習」「札幌ウィンタースポーツミュージアムを活用した学習」「冬季スポーツ施設を活用した学習」―の三点について実践研究を行っており、二十四日には平岸小学校や大倉山小学校、簾舞小学校などが授業を実施した。

◆札幌大会の意義学ぶ

 札幌市立大倉山小学校(類家斉校長)は、同校で札幌ウィンタースポーツミュージアムを活用した学習を実施した。四年生五十八人が参加。同ミュージアムの職員による出前授業を通して、五輪の歴史や開催意義について学んだ。

 総合的な学習の時間に実施したもので、札幌ウィンタースポーツミュージアムの白取史之氏を講師に招いた。

 白取氏は「冬のオリンピックについて学ぼう」と題して講義した。五輪の概要や歴史について説明したあと、一九七二年に開催された札幌大会について解説。日本人選手の活躍などによって、「大成功を収めた」と振り返った。また、開催をきっかけに競技場や地下鉄、道路などのインフラが整備され、現在も活用されていることを紹介。「オリンピックは単なるスポーツ大会ではなく、札幌を便利で暮らしやすいまちに変えたもの」とその開催意義を説明した。

 最後に、金メダルより大切なこととして、「正々堂々とプレーすること」「スポーツを通じて人と出会うこと」「メダルをとるために努力すること」を挙げ、「みんなも勉強やスポーツなど、目標に向かって努力してほしい」と呼びかけた。

 参加した児童は、「オリンピックがなければ、今の便利な札幌はなかったということが分かった」などと感想を述べていた。

 同校では今後、同ミュージアムを見学し、今回の授業の内容について理解を深めていく方針。

(市町村 2017-01-26付)

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