28年度札幌市教育実践功績表彰受賞者・校の功績
(市町村 2017-01-31付)

池上由紀子白楊幼
池上由紀子氏

 札幌市教委は二十六日、二十八年度札幌市教育実践功績表彰式(三十日付8面既報)を挙行した。受賞者および受賞校の功績はつぎのとおり。=敬称略=

【個人表彰】

▼池上由紀子(札幌市立白楊幼稚園長)

 これまで三園の園長を歴任。特に二十五年一月には、中央幼稚園の園長として、札幌市教育実践功績表彰の学校表彰を受賞した。現任の白楊幼においては、「ガッツのある、心が元気な子ども」が育つ幼稚園を重点目標に、〝保護者、園児、職員が一体となる温かい園〟の経営に努めている。

 また、白楊小学校との幼小連携においても、年間を通じて積極的に推進。札幌市立幼稚園長会では事務局長として、市立幼稚園における研究実践園としての機能の確立と幼児教育をめぐる喫緊の諸問題に対して、リーダーシップを発揮し、本市の幼児教育の振興に努めた。

 北海道国公立幼稚園・こども園長会では会長として、北海道の幼児教育の諸問題の解決に取り組み、北海道の幼児教育の振興のため、園経営と教育の質的向上を図る研究と交流を積極的に推進している。

▼菅井留美子(札幌市立山鼻南小学校長)

 二十七年度より山鼻南小の校長に着任し、同校の教育課程の改善に積極的に取り組み、二十七・二十八年度研究開発事業「進路探究学習の充実」の研究推進校として山鼻中学校とのカリキュラム連携に資する研究を推進。また、本年度、国際理解教育の充実の一環として、ロシアのギムナジウム小学部と姉妹校提携を結び、両校の架け橋として本市の姉妹都市ロシア・ノボシビルスク市で開催された交流事業に参加した。

 北海道音楽教育連盟副会長として、実践家を講師に招いた実技講演会の開催のほか、北海道音楽教育連盟札幌市小学校支部支部長として、教師の指導力向上を目指した研修会の開催など、札幌市・北海道の音楽科教育の充実・発展に寄与した。

 北海道スクールバンド連盟では、支部長、会長を歴任し、北海道におけるスクールバンドの発展に大きく貢献したほか、二十七年に開催された全日本小学校管楽器教育研究大会札幌大会では会長として、管楽器を活用した授業実践を全国に広めた。

▼西田典博(札幌啓北商業高校教諭)

 市立高校で唯一の商業高校で、十七年に全国に例のない「商業科」から「未来商学科」へ学科転換を行う際には商業教員として、その構想・準備や校内・関係機関との調整に尽力し、市民から高い評価を得ている現在の啓北商業高の礎を築いた。現在は二十九年度からスタートする時代を先取りした新たな教育課程の検討や校内体制の構築に尽力しているほか、若手教員の育成にも取り組み、日商簿記一級を取得する教員を育てている。

 多様な進路実現を目指す未来商学科においては、他の商業高校に比べ、商業科目の授業時数が大幅に削減されているが、指導方法を工夫することによって、簿記部を二十七年度、二十八年度と全国大会へと導いた。さらに、就職した企業や進学した大学・専門学校等の各方面からは、簿記の技術だけでなく、将来の職業人としての心の教育に高い評価を得ている。

▼佐藤一美(札幌市立平岸西小学校調理員)

 札幌市教委が行政区単位に任命する調理員の指導的役割を果たす調理主任を二十一年度から務め、他の調理主任と協力し、給食調理技術の向上と作業の効率化を図っている。また、調理方法の研究を行い、札幌市学校給食共通献立の作り方(料理レシピ)の改善に尽力し、学校給食における衛生管理の向上に貢献した。

 二十六年度からは、給食調理業務推進委員会の総括や調理主任のまとめ役の総括主任として、調理員の中心的な役割を担い、体制整備に尽力した。二十六年度、第五十七回北海道学校給食研究大会において、「食物アレルギー対応を踏まえた献立、調理、配膳の工夫」を目的として、給食調理業務推進委員会において検討を行っている「美味しく安全な給食提供のためのアレルギー対応食の調理方法及び作業工程等の工夫」を発表し、学校給食関係者から見本となる取組と高く評価された。

 二十七年度には、「二十七年度北海道学校給食功労者表彰」を受賞している。

【学校表彰】

▼札幌市立大倉山小学校(類家斉校長)

 十二年度から二十五年度まで、全学年で教育課程外に時間を設定し、英語活動を実施するとともに、隔年で教育実践発表会を開催。時代に即した英語教育の在り方を提案している。

 二十六年度からは、札幌市立小学校において唯一、文部科学省の教育課程特例校の指定を受けて研究を進め、小学校一~六学年に十五~五十時間の新教科「英語活動科」を創設し、教育課程を編成している。

 二十七年度には、札幌市研究開発事業「学ぶ力の向上―小学校における少人数指導、専科指導についての実践的研究」の研究推進校として、二十八年度からは「算数にーごープロジェクト事業」の研究推進校として、少人数指導の効果的な導入の在り方について研究を進め、学ぶ力の向上に努めている。

 また、二十八年度の第十一回教育実践発表会では、次期学習指導要領の内容として示された課題について、その具体的な在り方を授業およびカリキュラムで提案している。このほか、同校の特色ある教育活動にかんがみ、民間団体の外国語活動にかかる研究大会を開催しており、市内はもとより、道内、道外、海外からの訪問視察等も多く訪れている。

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菅井留美子山鼻南小
菅井留美子氏
西田典博啓北商業高
西田典博氏
佐藤一美平岸西小
佐藤一美氏
学校表彰大倉山小
大倉山小

(市町村 2017-01-31付)

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