函館市南北海道教育センター 多面的な情報収集・分析を 講師招き特別支援教育研修(市町村 2017-01-30付)
講義を通して適切な支援について学んだ
【函館発】函館市南北海道教育センター(寺本公彦所長)は十日、同所で特別支援教育研修を開催した。市内小・中学校の特別支援学級担当教員や特別支援教育コーディネーターなど二十五人が参加。教育大学函館校国際地域学科地域教育専攻の北村博幸教授と細谷一博准教授による講義や演習を通して、授業力の向上に向けて研鑚を積んだ。
開講式では、寺本所長があいさつ。本年度から特別支援教育の充実に向けて研修内容を見直したことを説明した。「市全体の指導力や授業力の向上に向けて、研修の成果を各校で大いに活用してほしい」と期待を述べた。
午前中は、北村教授が「アセスメントと支援」と題して講義。北村教授は、特別支援教育の新たな専門性として、「アセスメントの力」「子どもの強い部分を活用する力」「チームで支援していく力」の三つの力の向上を求めた。
講義では、はじめに、「アセスメントは実態把握だけでなく、対象の人物に関する情報の多面的な収集、分析、解釈を通して、全体像と環境を明確にすることが必要」と説明した。また、子どもの強い部分を生かす教育プログラムの作成については、五歳~十六歳十一ヵ月までを対象とした知能検査「WISC―Ⅳ」を活用し、子どもの学習スタイルに適した指導・支援を呼びかけた。
つぎに、アスペルガー症候群の子どもを想定し、日常の様子などの情報をもとに、「理解・判断・行動」の三つの支援策について考えさせた。「具体的な言葉で伝える」「人とうまくつき合えるような言葉を示す」「人と話す前に深呼吸させる」などの具体策が示された。
最後の演習では、ADHDの状態を示し、行動上の課題を抱えている児童を想定。参加者は四人ずつのグループとなり、提示された子どもの情報をもとに、支援計画作成に向けて協議を行い、チームで対応する重要性について学んだ。
午後からは、細谷准教授が「スーパーバイズの在り方」と題して講義。「支援体制の構築・必要性・役割」「連携の重要性」などについて説明した。
このあと、事例を通して校内における具体的な支援や助言、関係機関との連携などについてグループで協議し、発表した。
参加者は、「WISC―Ⅳを、指導・支援にもっと活用したい」と感想を述べていた。
(市町村 2017-01-30付)
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