【解説】子どもへの前兆事案―２８年中

（解説 2017-02-02付）

　道警本部は、昨年一年間における「子どもに対する前兆事案の届出受理状況」を取りまとめた。

　前兆事案とは、子ども（十三歳未満）と女性を対象とする性犯罪等の凶悪犯罪の前兆とみられる声かけやつきまといなどをいう。

　昨年十二月は、前年同期比五十四件減の三十四件の届出を受理。一年間の累計は、二・四％、二十六件減の一千三十八件となった。

　声をかけられたり、つきまとわれたりする事案が全体の約六割を占めている。

　発生時の子どもの状況で多かったのは、「登下校時」の四百三十四件（四一・八％）と「習い事、友人宅、買い物などへの行き帰り」の三百六十三件（三五・〇％）となっている。

　発生時間帯は、「午後三時台」が二百八十二件、「午後四時台」が百七十八件、「午後二時台」が百七十二件など、午後二～五時の間に全体の七割以上が集中している。

　発生場所は、「道路（通学路を含む）」が八百件で七六・一％を占め、公園が一二・二％の百二十七件だった。

　発生時、子どものとった行動は、「自宅に逃げる」が四百三十一件で最多。「無視」が百四十一件で続いた。

　昨年一年間に届出を受理した事案のうち、事案発生から三十分以内に届出されたのは二百八十二件（二七・一％）だった。

　道警では、早期通報によって、不審者がいる場所に警察官を急行させ、検挙・警告することが可能なことから、保護者に対し、子どもから不審者の話を聞いたときには、速やかに警察へ通報するよう求めている。

　また、子どもを犯罪から守るため、不審者への対応要領を繰り返し指導するとともに、「帰宅時間を決める」「行き先を告げさせる」などルールを子どもとつくることも必要と呼びかけている。

(解説 2017-02-02付)