道教委が「がん教育」研修会 教育活動全体で活用を(道・道教委 2017-02-14付)
学校管理職や市町村教委職員等60人が参加した
道教委は九日、札幌市教育文化会館で二十八年度「がん教育」研修会を開いた。文部科学省委託「がんの教育総合支援事業」の一環。実践発表や協議などを通して、がん教育自体を目的とするのではなく、学校の教育活動全体のステップアップのために活用することの重要性を確認した。
同事業は、学校教育全体の中で、がんの教育を推進することによって、がんに対する正しい理解とがん患者に対する正しい知識や命の大切さに対する理解を深めることが目的。文科省は、その成果を踏まえ、二十九年度からがん教育を全国で展開することにしている。
道教委では、二十六~二十八年度、同事業をそれぞれ単年度で受託。二十六年度は札幌市立東月寒中学校と天塩高校の二校、二十七年度は札幌市立簾舞中学校と天塩高の二校、二十八年度は札幌市立山鼻小学校、簾舞中、天塩高、札幌白陵高校の四校を推進校に指定。また、連絡協議会や研修会を開き、がん教育を推進している。
この日の研修会はその一環で、公私立学校の校長や教頭、教諭、養護教諭、市町村教委職員、保健行政関係者など六十人が参加した。
推進校として、簾舞中の山下豊教頭が実践発表し、全校講演会、教職員向け校内研修会、保健体育科保健分野や道徳の授業などの取組内容を説明。生徒にがんに関する正しい知識を身に付けさせることができたなどの成果を挙げた。
また、がん教育そのものを目的とするのではなく、がんを教材として活用し、学校教育目標を達成することの大切さを訴えた。
がん教育出前授業に取り組む芦別市市民福祉部健康推進課健康推進係の村上悠実子主任(保健師)も発表。子どもたちが健康と命の大切さについて学び、自らの健康を適切に管理し、がんやがん患者に対する正しい知識をもつことができるようにすることを目的とした出前授業の取組内容を紹介した。
参加者は、これらの実践発表を踏まえ、「学校におけるがん教育の推進について」をテーマにグループ協議。養護教諭と保健体育科担当教員などとの連携や、命を学ぶ学習として取り組むことの重要性などが挙げられた。
助言に立った道教育大学札幌校の渡部基教授は「がんの教育自体を中心とするのではなく、各教科・領域などで命の大切さを取り扱うとき、がんに関する内容を入れることで、ステップアップ、パワーアップを図ることが重要」などと述べた。
(道・道教委 2017-02-14付)
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