教育の情報化セミナーin上川―道教委 ICTで授業改善を 東京学芸大・高橋氏が講演(道・道教委 2017-02-15付)
高橋氏は実物投影機の有効性など様々な具体的アドバイスを行った
【旭川発】道教委は十三日、上川合同庁舎で「教育の情報化セミナー2017in上川」を開いた。東京学芸大学教育学部の高橋純准教授が「次期学習指導要領に向けた授業におけるICT活用」と題して講演。情報活用能力の育成に向け、主体的・対話的で深い学びの学習過程の充実を呼びかけた。その方法の一つとしてICT機器の効果的な活用を挙げ、実物投影機等による拡大提示の有効性を強調した。
同セミナーは、社会の急激な変化に伴い、将来の変化の予測が困難となっている中、未来に生きる子どもたちの社会で自立して生きるための資質・能力の育成に向け、求められている教育の情報化について周知を図ることがねらい。
約百四十人が参加し、教育の情報化の今後の方向性について理解を深めた。
開会式のあと、高橋氏が講演。青少年のスマートフォン・携帯電話の所有状況、インターネット利用状況、児童生徒を対象とした情報活用能力調査の結果などについて説明。課題として「整理された情報を読み取ることができるものの、特定の情報を見つけ出し関連付けること」や、「受け手の状況に応じた情報発信」を挙げた。
また、「OECD生徒の学習到達度調査」にも言及し、読解力が低下していることを指摘。語彙力の強化、情報活用やコンピュータを活用した指導の充実が求められていることを伝えた。
加えて、昨年十二月に中央教育審議会が出した答申を示し、情報活用能力が言語能力と並んで重視されていることを伝えた。
次期学習指導要領の考え方について解説し、「学習内容と学習方法の両方を充実させ、子どもの学びの過程を質的に向上させていくことが大切さ」と説いた。
質の高い学びとするため、アクティブ・ラーニングの視点を盛り込んだ主体的・対話的で深い学びを推奨。その方法の一つとして、ICT機器の効果的な活用を呼びかけた。
特に、実物投影機等による拡大提示の有効性を強調。効果として、「教師の説明や指示が分かりやすく明確になり、児童生徒の活動時間の確保につながる」と訴えた。
おわりに、「今後はタブレットPC等をはじめとした機械込みでの情報活用能力の育成が重要となる」と指摘。
その育成に向け、「主体的・対話的で深い学びを通し、子どもたちの知識等をほかの知識と関連付けさせ構造化していってほしい」と求めた。
このあと、教育政策課情報化推進グループの工藤雅人主査が、道教委の教育の情報化にかかる取組について説明。
ICT活用教育促進事業や校務支援システムの実践指定校の取組を紹介し、成果を上げていることを報告した。
(道・道教委 2017-02-15付)
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