文科省 小・中学習指導要領改訂案公表 小5・6で外国語を教科化 全教科で「主体的・対話的で深い学び」 (道・道教委 2017-02-16付)
文部科学省は十四日、小・中学校の学習指導要領と幼稚園の教育要領の改訂案を公表した。小学五・六年で実施している「外国語活動」を小学三・四年に前倒しし、五年からは教科書を使う正式な教科「外国語」とする。討論や発表などを通じ、自らの課題をみつけて解決する力を育成する「主体的・対話的で深い学び」を全教科で導入。次期学習指導要領は小学校が三十二年度、中学校が三十三年度から全面実施される。学習指導要領の改訂は約十年ぶりとなる。
今回の改訂では、これまでの指導要領で初めて前文を設け、学校と社会との連携・協働の中で教育の目的実現を図る「社会に開かれた教育課程」を理念として掲げた。
また、「生きる力」を育むため、「何を学ぶか」が中心だった従来の指導要領の性格を大きく変え、「どのように学ぶか」「何ができるようになるか」を明確にした。
例えば、中学校理科の生命領域では、①生物の体のつくりと働きを理解させ、②観察や実験を通して生物の多様性に気づかせたり、規則性を表現させ、③生命を尊重し、自然環境の保全に寄与する態度を養う―としている。
知識の定着だけでなく、知識を活用して探究活動を行う「主体的・対話的で深い学び」を全教科で充実。そのため、単元など数コマ単位のまとまりでの授業改善を求めた。
さらに、学校運営の在り方にも踏み込み、教育内容や時間割を改善して教育効果を最大化する「カリキュラム・マネジメント」の確立を各学校に要請した。
改訂の目玉となる外国語教育の充実では、小学校において、五・六年で行っている「外国語活動」を三、四年に前倒し。「聞くこと」「話すこと」を中心に年間三十五コマ(一コマ四十五分)の授業を行う。五・六年からは段階的に「読むこと」「書くこと」を加え、系統性をもたせた指導を行う正式な教科「外国語科」として位置付け、授業を年間七十コマに倍増する。三~六年で六百~七百程度の単語の習得を目指す。
それぞれ年間三十五コマ増えるが、他教科の授業は削減しない。文科省は、十五分の短時間学習や四十五分に十五分を加えた六十分授業の設定、土曜日や長期休業中における学習活動など、弾力的な時間割編成を提案している。
中学校では、英語の授業は英語で扱うことを基本とする。扱う単語数は現行の一千二百語から一千六百~一千八百語程度に増やす。 小学校では情報活用力を重視し、新たに「プログラミング教育」を必修化。算数や理科、総合的な学習の時間などを活用し、プログラミングを体験しながら、コンピューターに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力を身に付けるための学習活動を展開する。
幼改訂案―育って
ほしい姿を明確化
幼稚園教育要領改訂案では、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を明確化。示したのは、「健康な心と体」「自立性」「協同性」「道徳性・規範意識の芽生え」「社会生活とのかかわり」など十項目。「評価」の実施も初めて明記。他の幼児との比較や達成度ではなく、一人ひとりの良さや可能性などを把握するとし、小学校への引き継ぎも求めている。
文科省は、小・中学校の学習指導要領と幼稚園の教育要領の改訂案について三月十五日まで意見公募し、同月末に告示する予定。
(道・道教委 2017-02-16付)
その他の記事( 道・道教委)
公立特別支援高等部・専攻科第2次募集 52校で564人募集
道教委は十五日、二十九年度公立特別支援学校高等部および専攻科入学者第二次募集の状況を発表した。五十二校で五百六十四人を募集する。学校別の募集人員等は、道教委のホームページで公開している。 ...(2017-02-16) 全て読む
代表高校長研で道教委所管事項説明(下)
◆特別支援教育課 【特別支援教育パートナー・ティーチャー派遣事業の活用】 昨年度を上回る百八校で、特別支援教育パートナー・ティーチャー派遣事業が活用されており、次年度についても、必要に...(2017-02-16) 全て読む
道が交通安全運動推進会議 29年の推進方針などを確認 4期40日間の運動展開
道は十三日、道庁別館で二十九年交通安全運動推進会議を開いた。年間スローガン「ストップ・ザ・交通事故~めざせ 安全で安心な北海道」のもと、春・夏・秋・冬の四期四十日間にわたる二十九年交通安全...(2017-02-16) 全て読む
道教委・柴田教育長が渡島管内視察 小・中学校など訪問し激励 特色ある取組の成果期待
【函館発】道教委の柴田達夫教育長が二月上旬の二日間、渡島管内の教育行政視察を行った。学校や渡島教育局など六施設に足を運び、各校の特色ある取組に関心を示し、今後の成果に期待を寄せていた。 ...(2017-02-16) 全て読む
上川局28年度管内教育実践表彰 3校1個人などに栄誉
【旭川発】上川教育局は、二十八年度管内教育実践表彰の受賞者を決定した。学校教育部門では、旭川市立朝日小学校、和寒町立和寒中学校、富良野緑峰高校の三校と、旭川農業高校の佐藤崇教諭を選出。社会...(2017-02-16) 全て読む
29年度公立高入選出願変更後の状況 全定合計36、732人 平均倍率は0.01ポイント上昇
道教委は十四日、二十九年度公立高校入学者選抜出願変更後の状況(三日現在)を発表した。出願者数は、当初出願時から十三人増え全定合計三万六千七百三十二人。全定平均の倍率は、〇・〇一ポイントアッ...(2017-02-15) 全て読む
道子どもの未来づくり審議会 2割弱が就学援助受給 生活実態調査速報値を報告
二十八年度第二回道子どもの未来づくり審議会が十三日、札幌市内のかでる2・7で開かれた。道が実施した子どもの生活実態調査結果の速報値を報告した。家計の状況をみると、小学校二年生・同五年生・中...(2017-02-15) 全て読む
代表高校長研で道教委所管事項説明(上) 政治的中立性確保を要請 生徒に様々な見解提示して
道教委主催の二十八年度第四回全道代表高校長研究協議会(七日、道庁別館)では、各課等の担当者が所管事項について説明した。政治的教養を育む教育の充実に努めるよう要請するとともに、「学校は、教育...(2017-02-15) 全て読む
教育の情報化セミナーin上川―道教委 ICTで授業改善を 東京学芸大・高橋氏が講演
【旭川発】道教委は十三日、上川合同庁舎で「教育の情報化セミナー2017in上川」を開いた。東京学芸大学教育学部の高橋純准教授が「次期学習指導要領に向けた授業におけるICT活用」と題して講演...(2017-02-15) 全て読む
札幌英藍高で教諭向け研究成果発表会―道教委 生徒の意欲向上目指す 国語など3科目の授業公開
道教委主催、石狩教育局主管の「高校生の基礎学力の定着に向けた学習改善のための調査研究事業」研究成果発表会が七日、札幌英藍高校(田中俊一郎校長)で開かれた。全道から高校教諭など四十五人が参加...(2017-02-15) 全て読む