代表高校長研で道教委所管事項説明(下)(道・道教委 2017-02-16付)
◆特別支援教育課
【特別支援教育パートナー・ティーチャー派遣事業の活用】
昨年度を上回る百八校で、特別支援教育パートナー・ティーチャー派遣事業が活用されており、次年度についても、必要に応じて年間計画に位置付け活用いただきたい。
【二十八年度「通常の学級に在籍する特別な教育的支援を必要とする児童生徒等の調査(十一月一日現在)」の結果】
▼特別な教育的支援を必要とする生徒
高校における特別な教育的支援を必要とする生徒は、昨年度調査と比較して、微増傾向である。
▼個別の指導計画の作成
昨年度と比較して、「個別の指導計画を作成している要支援者」は増加しているが、作成予定の学校は、できる限り早く作成いただきたい。
▼「校内研修プログラム」「実践事例集」の活用
昨年度と比較して、「校内研修プログラムや実践事例集を活用した学校」は増加しているが、活用予定の学校は、できる限り早く活用いただきたい。
▼研修回数「0回」の特別支援教育コーディネーター
昨年度と比較して、「研修回数〝0回〟の特別支援教育コーディネーター」は減少しているが、研修を受講していないコーディネーターが在籍する学校においては、教育局の高校班に相談し、特別支援教育SVを活用するなど、できる限り早く解消いただきたい。
▼個別の教育支援計画の活用
「個別の教育支援計画を引継ぎに活用した学校」についても、大きく増加しており、引き続き、取組を進めていただきたい。
【関係法令】
つぎの関係法令について、所属職員の一層の理解を促すとともに、それに伴う実践の促進をお願いしたい。
・障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(二十八年四月一日施行)
・発達障害者支援法の一部を改正する法律(二十八年八月一日施行)
【二十八年度「発達障がい支援成果普及事業」】
全管内に高校の「推進校」を指定し、「校内研修プログラム」「実践事例集」を活用した校内研修とそれに伴う実践に取り組んでいただいた。
また、全管内で「特別支援教育充実セミナー」を開催し、推進校には、効果的な実践事例を発表いただいた。
推進校の実践事例を取りまとめ、年度内に仮称『取組事例集』を作成し、すべての学校等に配布予定である。
◆健康・体育課
【学校体育中の事故防止】
これまでも各種会議や研修会等においてお願いしており、適切に対応いただいていることに感謝申し上げる。
一月十三日に福岡県の小学生が、校庭でサッカーの授業中にハンドボール用のゴールの下敷きになり死亡する事故が発生した。
当該の市教委によると、ゴールが固定されていなかったことや、学校は毎月点検することになっていたが、昨年十月を最後に点検していなかった状況が判明した。
各学校においては、二十四年七月九日付教健体第三六五号通知「学校における体育活動中の事故防止について」に添付している報告書や、二十八年七月二十六日付教健体第四〇三号通知「学校における体育活動中の事故防止等について」に添付しているチェックリストを活用するなど、体育活動全般について検証し、必要な改善を行うなどして、事故防止に万全を期していただきたい。
【運動部活動の休養日の設定】
本年度の「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」では、新たに中学校の運動部活動に関する調査が加えられた。調査結果では、学校の決まりとして週に一日以上部活動休養日を設定していない学校の割合が二二%(全国二二%)、土日に月に一回以上休養日を設定していない学校の割合が五九・八%(全国四二・四%)となっている。
本道においては、これまで、道教委と市町村教育委員会、校長会、中体連、高体連、PTAによる「部活動指導の見直しにかかる申し合わせ」において、
①週一日程度は休養日を設けること
②授業日においては、生徒の下校や教職員の退勤が遅くならないよう放課後の二~三時間程度で活動が終わるようにすること
③休日においては、早朝から終日にわたる活動を極力避け、半日程度でも効果的な活動ができるようにすること
④特定の教職員に負担が偏らないよう、可能な限り、複数顧問の配置を検討すること
―を高校も含め働きかけている。
各学校において、体育・保健・安全調査の「運動部活動における平均休養日」の調査項目では、週一日以上設定しているとの回答は一〇〇%となっている。引き続き、本申し合わせの趣旨を踏まえ、適切な運動部活動が実施されるようお願いする。
【献血に関する学習の充実】
これまでも日本赤十字社が実施する献血セミナーなどの機会を積極的に活用するなどして、献血にかかわる学習の一層の充実を図るようお願いしている。
本セミナーについては、例年三月ごろ、文部科学省からの事務連絡を受け、教育局を通じて各学校に通知している。次年度の取組の計画を立てる際の参考としていただきたい。
また、献血については、昨年度に引き続き、本年度も議会議論となっていることなどから、次年度においては、全道四~五校の高校をモデル校に指定し、保健の授業で、日本赤十字社が作成したDVDや厚生労働省が作成した啓発教材を活用した取組をお願いしたい。
取組の内容としては、献血に関する一~二時間程度の授業と事前、事後の生徒向けアンケートなどを考えているが、学校に負担がかからないよう、今後、実施内容等について検討する予定。詳細が決まり次第、お知らせするので、理解と協力をいただきたい。
【がん教育】
生涯のうち、国民の二人に一人がかかると推測されるがんは重要な課題であり、健康に関する国民の基礎的教養として身に付けておくべきものとなりつつある。
二十四年度から二十八年度までの五年間を対象とした新たな「がん対策推進基本計画」に基づき、文部科学省では、二十六年度から「がんの教育総合支援事業」を実施し、二十九年度からがん教育を全国で展開することとしている。
また、昨年十二月、国会において、がん対策基本法の改正法が成立し、「がんに関する教育の推進」の項目が新設されるなど、学校におけるがん教育の充実が求められている。
道教委においても、文部科学省の委託を受けて、「がんの教育総合支援事業」を本年度も実施した。小・中学校各一校、高校二校を推進校に指定し、文部科学省で作成したがん教育推進のための教材を活用した取組等を行っている。その取組については、道教委のホームページに掲載しており、引き続き、情報提供に努めていく考えである。
各学校においては、保健の授業を中心に、学校の教育活動全体を通じて、がんを取り上げた健康教育を推進していただきたい。
◆学校教育局参事(生徒指導・学校安全)
【生徒指導】
▼いじめの問題への対応
▽いじめの認知
二十七年度の道内公立高校(札幌市立を含む)におけるいじめの認知件数は、対前年度比三十五件減の四百二十九件、認知率は五・八ポイント増の五〇・九%(「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」)。
二十八年度の道内公立高校(札幌市を除く)の十一月末現在のいじめの認知状況は、対前年度比三十件増の四百三十四件(道独自調査「第三回いじめの問題への対応状況の調査」)。
認知率は、前年度に比べ五・八ポイント増加しているものの、約半数の学校でいじめが認知されていない状況。各学校においては、生徒のささいな変化・兆候であっても見逃さず、積極的ないじめの認知に努めることが重要である。
二十七年十一月に資料『いじめの積極的な認知に当たって』、二十八年三月に資料『いじめの認知について~先生方一人ひとりがもう一度確認してください』を各学校に配布した。両資料を活用した研修を確実に実施するなど、いじめの認知に向けた教職員の共通理解を図っていただきたい。
▽いじめの問題への取組
二十八年度の道内公立高校(札幌市を除く)における「学校いじめ防止基本方針」策定の際の保護者等地域人材の参画状況は、対前年度比一二・六ポイント増の六六・九%(道独自調査「第二回いじめの問題への対応状況の調査」)。
「学校いじめ防止基本方針」がより一層実効的なものになるよう、各学校においては、見直しの過程に児童生徒、保護者、関係機関等が参画する仕組みを構築していただきたい。
いじめの問題への対応については、学校、家庭、地域住民等の相互の連携協力のもと、取り組む必要があることから、保護者や地域に対し、いじめの発生状況等の確実な公表に努めていただきたい。
二十八年十月二十二日、「どさんこ☆子ども全道サミット」を開催。公立高校からは九十五校三百三十二人の参加があった。各学校において、サミットで決定した行動宣言を踏まえ、生徒がいじめの問題について主体的に考える取組の充実に努めていただきたい。
▽東日本大震災によって被災した生徒を受け入れる学校の対応
本道においては、被災地から避難している高校生に対するいじめは確認されなかったが、二十八年十二月十六日付文部科学省初等中等教育局長通知に基づき、教育相談体制の充実等の取組を一層強化するとともに、被災生徒に対し相談窓口を確実に周知していただきたい。
二十九年度の道独自の「いじめの問題に関する調査」に、東日本大震災によって被災した児童生徒に対するいじめの有無等を把握する項目を新たに追加するなど調査項目を見直して実施予定。
▼不登校児童生徒への支援の在り方
二十七年度の道内公立高校(札幌市立を含む)における不登校生徒数は、対前年度比百四十九人減の七百七人。不登校生徒のうち、専門的な相談・指導等を受けていないと回答した生徒の割合は、二・一ポイント減の四七・一%(「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」)。
二十八年九月二十八日付教生学第六三四号「不登校児童生徒への支援の在り方について」に基づき、児童生徒理解・教育支援シートを活用するなどして、組織的・計画的な不登校生徒への支援を進めていただきたい。
二十八年十月十一日付教生学第六七四号通知「不登校にかかる相談窓口の周知および不登校児童生徒の状況の改善等に向けた取組の充実について」を発出した。各学校においては、作成した「不登校にかかる相談窓口一覧」を積極的に活用するなどして、相談窓口を周知するとともに、保護者に対しては養護教諭やスクールカウンセラー等の相談可能日を提示するなど、不登校生徒や保護者等が確実に相談を受けられるよう配慮いただきたい。
▼中途退学の未然防止
二十七年度の道内公立高校(札幌市立を含む)における中途退学者数は、対前年度比百八十三人増の一千六百四十八人(「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」)。
不登校や中途退学の未然防止、自殺の予防のための取組を実践し、その成果の普及を図る「高校生ステップアップ・プログラム」を本年度は二十九校で実施した。本年度の実施報告書は三月に取りまとめ、学校教育局参事(生徒指導・学校安全)のウェブページに掲載予定。
各学校においては、本実施報告書を参考にするなどして、生徒の中途退学の未然防止に向け、生徒の望ましい人間関係構築に向けた指導の充実や、卒業の意義や将来の進路などについて考えさせる教育相談の一層の充実に努めていただきたい。
▼性同一性障害や性的指向・性自認にかかる対応
二十七年一月に教職員資料『性同一性障害の理解のために』を作成・配布した。
二十八年七月二十一日付教生学第四〇三号通知によって、資料『性同一性障害や性的指向・性自認にかかる、児童生徒に対するきめ細かな対応等の実施について(教職員向け)』を配布した。
各学校においては、こうした資料を参考にするなどして、管理職や学級担任をはじめとして、性同一性障害に対する教職員の理解の促進に努めるとともに、児童生徒の実情を把握した上で、保護者の意向にも配慮しつつ対応いただきたい。
性同一性障害や性的指向・性自認にかかる悩みを抱える生徒が在籍する学校においては、職員トイレの使用や更衣室としての保健室の利用を認めるなど実施可能なことから取り組んでいただきたい。
【学校安全】
▼高校生学校安全推進事業の充実
二十八年度の道内公立高校(札幌市立を除く)における生徒を対象とした「防犯教室」と「防犯訓練」の両方の実施状況(実施予定を含む)は、全日制が対前年度比三六・二ポイント増の六一・八%、定時制が二四・八ポイント増の五八・一%(「二十八年度公立高校の体育・保健・安全に関する調査」)。
二十八年五月の事務連絡「防犯教室および防犯訓練の実施について」を参考に、実施方法や実施形態を工夫し、道教育推進計画の目標年度となる二十九年度は、「防犯教室」と「防犯訓練」の両方を年間計画の中に確実に位置付け、すべての学校で実施していただきたい。
▼「学校事故対応に関する指針」に基づく適切な事故対応
二十八年三月三十一日付文部科学省初等中等教育局通知によって、「学校事故対応に関する指針」が公表されたが、全国的に本指針の趣旨や内容に関する認識が不十分な例がみられることから、二十九年一月十日付教生学第九三三号通知を発出した。
各学校においては、管理下において死亡事故等が発生した場合には本指針に基づき、適切な対応が取れるよう理解に努めるとともに、昨年十二月に作成・配布した資料『学校管理下における事故等が発生した際の保護者への対応について』を活用するなどして、被害生徒等の保護者への適切な対応がなされるよう一層理解を深めていただきたい。
【非行事故および一般事故】
▼道内公立高校(札幌市立を除く)における非行事故(速報)の状況
二十八年度の非行事故件数は、一月三十一日現在報告分で、対前年度比五件増の六十一件。
警察との連携が必要な事案が多く、子どもの健全育成サポートシステムを活用するなどして、非行の再発防止や未然防止、生徒の安全確保等に向け、適切に連携を図っていただきたい。
▼道内公立高校(札幌市立を除く)における一般事故死および交通事故死(速報)の状況
一月三十一日現在報告分で、二十八年度の一般事故死件数は、対前年度比三人増の六人、交通事故死件数は、四人減のゼロ。
水難による事故死が三件発生しており、自ら危険を予測し、回避する能力を身に付けさせる指導の一層の充実が必要である。
◆新しい高校づくり推進室
【新しいタイプの高校づくり】
▼教育課程の編成・実施
生徒の興味・関心、進路希望等に応じた幅広い科目の開設、習熟度別指導やチームティーチングによるきめ細かな学習指導の充実を図るとともに、教育課程編成がそれぞれのタイプの趣旨を踏まえ、対外的に説明責任を果たせるものとなっているのか、点検していただきたい。
▼広報活動
新しいタイプの高校の紹介ビデオ「ようこそ わたしたちの学校へ」を作成し、当室のホームページに掲載した。本年度から、中学校へのDVDの配布は行わないこととし、中学生向けのチラシを作成して周知する。
新しいタイプの各学校においては、特色ある教育活動を広く紹介するため、学校のホームページにリンクを設定していただきたい。
本ビデオの内容の改善に向け、後日、アンケート調査を実施する予定。
【地域キャンパス校・センター校】
遠隔システムの多地点接続の機能を活用して、厚真高校と穂別高校、虻田高校の三校が生徒会交流を実施。豊富高校と稚内高校、礼文高校が特別支援教育センターと結んで、特別支援教育に関する合同の研修を実施した。
昨年三月に取りまとめた「地域キャンパス校の教育環境の充実に向けて」に基づき、引き続き、遠隔システムの積極的な活用や学校間連携の促進、地域との連携の充実などに努めるとともに、学校の魅力を積極的に発信していただきたい。
【道立高校間連携】
本年度、現在八組十六校で実施している。年間を通じて、教員を派遣し合うなど、相互の教育課程の維持充実を図る取組を推進している。
次年度、本制度を活用予定の学校については、本年度内でも構わないので、当室に連絡いただきたい。
▼斜里高・小清水高
▽派遣先・斜里、派遣元・小清水=教科等―外国語、派遣人数一人、週一回・年間七十時間程度
▽派遣先・小清水、派遣元斜里=教科等―商業、派遣人数二人、週二回・年間百四十時間程度
▼江差高・上ノ国高
▽派遣先・江差、派遣元・上ノ国=教科等―保健体育、派遣人数一人、年一回・年間四時間程度
▽派遣先・上ノ国、派遣元・江差=教科等―芸術、派遣人数一人、週一回・年間七十時間程度
▼富川高・平取高
▽派遣先・富川、派遣元・平取=教科等―家庭、派遣人数一人、週一回・年間七十時間程度
▽派遣先・平取、派遣元・富川=教科等―芸術、派遣人数一人、週一回・年間七十時間程度
▼根室西高・根室高
▽派遣先・根室西、派遣元・根室=教科等―芸術、派遣人数一人、週二回・年間二百四十五時間程度
▽派遣先・根室、派遣元・根室西=調整中
▼標津高・斜里高
▽派遣先・標津、派遣元・斜里=教科等―理科・数学・外国語、派遣人数三人、年各二回・年間各二時間程度
▽派遣先・斜里、派遣元・標津=教科等―家庭・商業・公民、派遣人数三人、年各二回・年間各二時間程度
▼阿寒高・白糠高
▽派遣先・阿寒、派遣元・白糠=教科等―LHR、派遣人数一人、年三回・年間三時間程度
▽派遣先・白糠、派遣元・阿寒=教科等―保健体育、派遣人数一人、年三回・年間三時間程度
▼雄武高・興部高
▽派遣先・雄武、派遣元・興部=教科等―保健体育・外国語、派遣人数各一人、年三回・年間六時間程度(保健体育)、年一回・年間一時間程度(外国語)
▽派遣先・興部、派遣元・雄武=教科等―保健体育、派遣人数一人、年六回・年間九時間程度
▼清里高・小清水高
▽派遣先・清里、派遣元・小清水=教科等―理科、派遣人数一人、年十五回・年間十五時間程度
▽派遣先・小清水、派遣元・清里=教科等―国語、派遣人数一人、年三十五回・年間三十五時間程度
【「新たな高校教育に関する指針」に替わる「新しい指針」】
十八年に策定した「新たな高校教育に関する指針」の成果と課題を検証し、昨年十月に検証結果報告書を取りまとめるとともに、二十九年度末を目途に「新しい指針」を作成することとした。
「新しい指針」の作成に向けて、十一月下旬から十二月にかけて、各学校に生徒および保護者を対象とした高校教育に関する意向調査に協力いただき感謝する。
「新しい指針」の作成に当たっては、有識者から意見をいただく必要があることから、道教育推進会議に高校専門部会を設置し、十二月二十一日に第一回の会議を開催した。
高校専門部会においては、「新しい指針」の作成に向け、小規模校の在り方をはじめ、総合学科や単位制などの多様なタイプの学校や職業学科の在り方、地域キャンパス校の再編基準の緩和に向けた新たな人数要件などについて、審議予定である。
高校専門部会における記録は当室のホームページで、適宜、公開予定である。
◆教職員課
【教職員の服務規律の保持】
これまでも機会あるごとに注意喚起してきたが、依然として不祥事が後を絶たない状況にある。
本年度についても、教職員の事故が相次いで発生しており、一月末現在で、懲戒免職五件を含む、九十四件の懲戒処分を行っている。特に、懲戒免職のうち四件はわいせつによるもの。
また、体罰による懲戒処分も、すでに二十二件になっており、学校教育に対する地域の信頼を揺るがしかねない、極めて憂慮すべき状況にある。
・各学校で研修を行っているのにもかかわらず、いまだに、体罰を行った教員の中には、自分が行った行為が体罰ではないと認識していた教員も多い。一層、体罰防止の意識を徹底していただきたい。
言うまでもなく、不祥事はあってはならないことであり、各学校においては、より一層危機感をもって、教職員の服務規律の保持に厳正を期していただきたい。
また、飲酒運転については、本年度、すでに四件の懲戒処分を行った。一昨年十二月に「北海道飲酒運転の根絶に関する条例」が制定され、道民を挙げて飲酒運転の根絶に取り組んでいる中、本年度、立て続けに教職員による飲酒運転事故が発生した。
各学校においては、教職員一人ひとりが、「飲酒運転をしない、させない、許さない」という条例の理念を深く心に刻むよう、学校における飲酒運転の根絶に向けた取組について、指導を徹底していただきたい。
【教育職員の時間外勤務等の縮減】
先月二十六日に時間外勤務等縮減推進会議を開催し、当会議においては、「部活動指導の見直しにかかる申し合わせ事項」について、運動部活動だけではなく、文化系の部活動を含めることを決定した。
また、「修学旅行の引率業務等に従事する道立学校職員の勤務時間の割振り等に関する要領」の対象業務に、「家庭訪問」「教育相談」「二週間前からの運動会、学校祭等の事前準備」の業務を、二十九年四月一日から加えることを決定した。
併せて、学校職員の週休日の振替についても、四時間と三時間四十五分の週休日勤務二回で、一日の勤務日の振替をできるよう、二十九年四月からの施行に向け、学校職員の勤務時間にかかる条例の改正事務をとり進めることを決定した。
これらの改正内容については、今後、通知するが、教職員の時間外勤務の縮減に資するもの。
各学校においては、部活動休止日や定時退勤日の徹底など、時間外勤務の縮減に向けた取組を一層進めていただきたい。
【セクシャル・ハラスメントおよびパワー・ハラスメント等の防止】
「育児休業、介護休業等育児または家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」の改正に伴い、妊娠、出産や、育児休業、介護休暇等の各種制度の利用等に関する言動によって勤務環境が害されることを防止等するため、二十九年一月に「妊娠、出産、育児または介護に関するハラスメントの防止等に関する指針」を定め、道立学校に通達した。
また、同じ一月に、「セクシャル・ハラスメントの防止等に関する方針」を一部改正し、性的指向や性自認のからかいやいじめの対象とすることを、セクハラになり得る言動の例とするなどした。
パワハラを含む、これらハラスメントの防止については、これら指針を参考に、ハラスメントに対する正しい認識をもった上で、自らの言動が、これらのハラスメントに該当しないか十分に注意を払い、未然防止に努めていただきたい。
◆福利課
【道立学校職員ストレスチェック制度実施要綱の改正】
▽ストレスチェックにおける職員個々の結果などの学校産業医・健康管理医への情報の提供について、産業医等の業務多忙などの理由によって困難性を抱えている学校が多くあることなどから、ストレスチェック制度の実効ある取組を進めるため、昨年十二月八日に実施要綱を改正し、実施代表者を学校の産業医等から福利課主幹(本庁産業医)へと変更した。
▽ストレスチェック結果を踏まえた職員からの相談に対応するため、一般社団法人日本産業カウンセラー協会北海道支部に委託し、職員からの個別相談に、訪問によって直接対応する体制を新設したので活用していただきたい。
【道立学校職員の過重労働による健康障害防止対策】
▽過重労働による健康障害防止対策については、年度当初のほか年度末までの多忙期を見据えて十二月にも通知するとともに、道教委ホームページでも通知内容を掲載しているので、職員に本制度を周知していただきたい。
▽勤務時間の把握については、職員の自己申告によることとしているが、「正規の勤務時間を超えて業務に従事した時間記録表」については、自動的に時間を集計できる表計算ソフトで作成し、道教委ホームページからダウンロードできるようにしているので、職員の活用を促進していただきたい。
◆生涯学習課
【学校開放講座等の道民カレッジ連携講座への登録】
道民カレッジは、産学官が連携して、道内で行われている様々な学習機会を体系化することによって、北海道の創造に寄与する人材を育成することを目的に実施しているもの。
学校開放講座の道民カレッジ連携講座への登録については、昨年十月の本協議会においてお願いしたが、二十九年度の学校開放講座についても、参加対象が自校PTA等に限定している場合を除き、地域に開かれた学校に関する取組の一環として、道民カレッジ連携講座への登録を、積極的に行っていただきたい。
【「ほっかいどう学」ネット検定】
二十九年度についても十一月に実施予定。北海道の歴史や文化、自然や環境等の知識や技術を学び、北海道の創造的発展の主体となる道民を育てることを目的としており、各学校においては、ふるさと教育の一環として年間の教育課程に位置付けるなどして、積極的な取組をお願いする。
【「ほっかいどう学」大学インターネット講座】
「ほっかいどう学」大学インターネット講座は、道内の大学教授等が講師となり、「ほっかいどう」にかかわる内容について講義し、インターネットで配信するもの。二十八年度のコンテンツは、北海道における貧困問題や方言、ヒグマの生態など、八本となっており、昨年十一月一日に配信した。
各学校へはDVDを配布しており、関連する教科や総合的な学習の時間、職員の研修などの場面で積極的に活用していただきたい。また、DVD配布の際に同封している活用状況に関するアンケートについても、協力いただきたい。
◆道立教育研究所
【二十九年度研修事業の基本方針】
次年度の研修事業については、六点を基本方針として推進する。
▼学校経営等に関する研修の充実
校長、副校長・教頭を対象とした研修講座では、大学等と連携した五日間の講座を設定。
また、ミドルリーダー養成に関する研修講座では、若手教員の育成に当たる教員を対象とした研修講座を設定する。
▼今日的な教育課題を踏まえた研修の充実
指定事業の成果や先進的事例の成果を取り入れた実践的な研修内容を設定する。
▼生徒指導、教育相談の充実
今日求められている生徒指導、教育相談の充実として、特別な教育的支援を必要とする児童生徒とのかかわり方にかかる研修内容などを加えて設定する。
▼教育の情報化を推進する研修の充実
ICT機器の効果的な活用方法など研修し、実践的なICT活用指導力の向上を目指すとともに、校内ネットワークの担当者や学校Webページの担当者を養成する研修内容など、校務の軽減と効率化、教育活動の質の改善を目指した講座を設定する。
▼本道の広域性等に対応した研修の充実
ミニ道研では、遠隔システムを活用した遠隔研修を、「市町村教委連携」研修講座の一部では、スカイプによる遠隔研修を試行的に導入する。
【附属理科教育センター】
昨年に引き続き、小学校教員を対象とした観察・実験の基礎的な知識、技能について実習を通して理解を深める研修講座を全道六管内(後志、胆振、上川、宗谷、オホーツク、釧路)の高校を会場として実施する予定。詳細については、決定次第連絡するので、会場提供に特段の配慮いただきたい。
(道・道教委 2017-02-16付)
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