部活動指導見直しの申し合わせ 文化系活動でも取組を 週1日程度の休養日設定など―道教委が通知
(道・道教委 2017-02-10付)

 道教委は、「部活動指導の見直しにかかる申し合わせ」について、校長会や中・高体連など関係機関・団体に通知した。一月開催の時間外勤務等縮減推進会議における決定をもとに、改正内容を解説した。従来の運動系部活動だけではなく、文化系部活動についても、「申し合わせ」で示す「望ましい部活動の在り方」に取り組む必要があるとの認識を明記。「申し合わせ」の関係者に道高校文化連盟を加えた。それに伴い、文化系部活動においても、週一日程度の休養日設定などの取組を進めていくこととした。通知では、改正内容を踏まえ、実効ある取組を進めるよう求めた。

 部活動指導にかかわっては、二十一年度策定の「教育職員の時間外勤務等の縮減に向けた取組方策」に基づき、二十五年度の時間外勤務等縮減推進会議で、「部活動指導の見直しにかかる申し合わせ」を決定した。

 道中学校長会・道高校長協会(校長会)、道中学校体育連盟・道高校体育連盟(中・高体連)、道PTA連合会・道高校PTA連合会(PTA)、道都市教育委員会連絡協議会・道町村教育委員会連合会・道教委(教育委員会)、道体育協会(体育協会)が申し合わせたもの。

 運動系の部活動にかかわり、学校の取組として、週一日程度の休養日を設定することや、授業日には放課後の二~三時間程度で活動が終わるようにすることなどの「望ましい部活動の在り方」を示した。

 また、教育委員会等の取組として、スポーツドクターの派遣や取組の成功事例に関する資料の作成、部活動関係者会議の開催などを盛り込んだ「部活動指導の見直しに向けた取組」を掲げた。

 「申し合わせ」に基づく取組が全道で進められる中、文化系部活動でも、長時間にわたって活動している状況がみられることから、生徒の負担にならないよう、休養日の設定などを求める声が挙がっていた。

 そこで、ことし一月に開かれた時間外勤務等縮減推進会議で決定した新しい「申し合わせ」では、「運動系の部活動だけでなく文化系の部活動についても、部活動休養日の設定などの〝望ましい部活動の在り方〟で示されている内容を取り組む必要がある」ことを明記。

 「申し合わせ」の関係者に、道高校文化連盟(高文連)を加えた。それに伴い、文化系部活動についても、学校の「望ましい部活動の在り方」と教育委員会等の「部活動指導の見直しに向けた取組」を進めていくことにした。

 道教委は、総務政策局長・学校教育局長名通知を、各教育局長や道立学校長、市町村教委教育長(市町村立学校長)、「申し合わせ」に関係する各団体の代表に対し、七日付で発出。

 「申し合わせ」の改正内容などを解説し、それぞれの立場で実効ある取組を進めるよう求めた。

 校長会、中・高体連、高文連、PTA、教育委員会、体育協会による「部活動指導の見直しにかかる申し合わせ」の内容はつぎのとおり。

          ◇          ◇          ◇

 本道の中学校および高校における部活動指導の見直しにかかる取組をより実効あるものとするため、道中学校長会および道高校長協会(以下、校長会)、道中学校体育連盟および道高校体育連盟(以下、中・高体連)、道高校文化連盟(以下、高文連)、道PTA連合会および道高校PTA連合会(以下、PTA)、道都市教育委員会連絡協議会、道町村教育委員会連合会および道教委(以下、教育委員会)、道体育協会(以下、体育協会)は、つぎのとおり申し合わせを行う。

▼申し合わせに至る背景など

▽平成二十二年度の校長会と中・高体連との部活動にかかる申し合わせ(以下、平成二十二年度の申し合わせ)から三年間が経過したことから、当該申し合わせの趣旨等について、あらためて確認する必要があること。

▽平成二十二年度の申し合わせ中の「望ましい部活動の在り方」で示されている部活動休養日の設定等の取組をより実効あるものとするためには、当該申し合わせを踏まえながら、PTAや教育委員会の考え方を反映させる必要があること。

▽運動系の部活動だけでなく文化系の部活動についても、部活動休養日の設定などの「望ましい部活動の在り方」で示されている内容を取り組む必要があること。

▼申し合わせの観点

▽今後の部活動の充実・発展に向けて、生徒や保護者の要望を踏まえながら、過重な負担にならない範囲の中で、生徒の活動を保障する必要があること。

▽部活動指導に当たる教職員の時間外勤務等の縮減への配慮が必要であること。

▽生徒のバランスのとれた生活や成長に配慮することが、部活動指導上、大切であることについて、保護者や指導教員等への理解の浸透を図る必要があること。

▽部活動休養日の設定、練習内容等の見直し、PTAの協力を得る取組、外部指導者の活用の取組などをより実効あるものとし、適切な部活動とするためには、学校はもとより、中・高体連、高文連、PTA、教育委員会や体育協会等の関係者が、「部活動の見直し」の取組について、その現状や課題等にかかわる情報の共有や意見交換等を行う必要があること。

▼申し合わせの内容

▽望ましい部活動の在り方(学校の取組)

 種目の特性や大会時期、学校事情や地域特性などにより一律にはならないものの、部活動の指導や運営に当たっては、生徒や担当教職員の健康・安全のため、以下の事項に留意し、年間を通して工夫改善していくことが望ましい。

①週一日程度は休養日を設けること。

②授業日においては、生徒の下校や教職員の退勤が遅くならないよう放課後の二~三時間程度で活動が終わるようにすること。

③休日においては、早朝から終日にわたる活動を極力避け、半日程度でも効果的な活動ができるようにすること。

④特定の教職員に負担が偏らないよう、可能な限り、複数顧問の配置を検討すること。

▽部活動指導の見直しに向けた取組(教育委員会等の取組)

①スポーツドクター等の派遣

 部活動休養日の設定や練習内容等の見直しを実効あるものとするため、休養日設定の意義などについて、生徒、保護者はもちろん、指導教員等に対する理解の促進に努めること。

②取組の成功事例等にかかる資料の作成

 部活動指導の見直しに向けた取組について、生徒や保護者、指導教員等の理解を進めるため、成功例や取組の成果などについて具体的な情報提供に努めること。

③PTAの協力事例にかかる資料の作成

 部活動にかかわる業務のうち、PTAの協力を得ることができるものとして、どのようなことがらがあるのか、また、具体的にどのような経過を経てPTAの協力を得られるようになったのか等について情報提供に努めること。

④外部指導者の活用事例にかかる資料の作成

 外部指導者の生徒指導に対する理解不足から、混乱を招いた事例も一部にみられることを踏まえ、生徒指導上の留意点等を示すなど、外部指導者を導入し活用しようとする学校の不安感を払拭する取組に努めること。

⑤部活動関係者会議の開催

 部活動に関係する団体(校長会、中・高体連、高文連、PTA、教育委員会、体育協会)の代表者が一堂に会し、部活動指導の見直しの取組について情報共有と意見交換等を行うこと。

(道・道教委 2017-02-10付)

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