札幌市道徳教育研究会中学校部会が公開授業　道徳教科化へ実践交流

（関係団体 2017-02-16付）

授業では、相手の心に負担をかけない思いやりの良さに気づかせた

　札幌市道徳教育研究会の中学校部会は十三日、札幌市立屯田中央中学校で全市授業研究会を開催した。会員など約二十人が参加。公開授業や検討を行い、「特別の教科　道徳」の開設に向けて理論と実践を学んだ。

　公開授業では、山川知香教諭が一年二組「あたたかな思いやり」を指導した。

　本時の教材『夜のくだもの屋』は、合唱部のコンクールを控えて暗い夜道を帰る少女が、いつも早く閉店する果物屋の夫婦が自分のために店の明かりをともしていたことを知る物語。さりげない思いやりについて対話することで、その良さに気づく道徳的心情を養うことをねらいとした。

　はじめに山川教諭が教材を読み、物語のどこに良さが感じられたかを質問。その上で、果物屋の夫婦が電灯をつけてくれた理由について考えさせ、物語の価値に迫るきっかけをつくった。

　少女の姿が見えなくなってから電灯を消していたことにも言及。理由を問うとともに、「安心して帰らせるために先生なら声をかける」と示すことで、さりげない思いやりの良さに気づかせた。

　このあと、果物屋のおばさんがどのような人物かを一人ずつホワイトボードに書かせて黒板に提示。単に「優しい」と記している生徒にはどういったところが当てはまるのかを聞き、全体で考えを深めさせた。

　授業後は研究交流を実施。あいさつに立った荒島晋事務局長は「“特別の教科　道徳”の実施に向けて準備段階が迫ってきている」と述べた上で、きたんのない意見交換を求めた。

　また、近野秀樹研究部長が同部の本年度における研究内容を説明。生徒の言葉を生かした発問のほか、場合に応じてホワイトボードを活用した授業づくりを行ってきたことなどを伝えた。

(関係団体 2017-02-16付)