道教委がSSWフォーラム 声なき声を拾って支援 アセスメントの在り方協議(道・道教委 2017-03-06付)
SSW活用事業の効果的な実施に資するため開催
道教委は二月二十七日、道庁別館で二十八年度第二回スクールソーシャルワーカー連絡協議会兼スクールソーシャルワーカーフォーラムを開いた。「〝子どもの最善の利益〟を保障するためのアセスメントの在り方」をテーマにパネルディスカッションを実施。パネリストは、子どもを中心に据えた支援の在り方について、「子ども本人がもつ生きる力を探すことを心がけ、ポジティブなアセスメントを心がけている」「子どもが何に困っているのか、その思いを置き去りにしないようにしたい」「子どもの声なき声をどのように拾うのかが課題」など、意見を交わした。
連絡協議会・フォーラムは、スクールソーシャルワーカー(SSW)の役割や取組の在り方について研究協議等を行い、事業の効果的な実施に役立てることなどを目的に開いた。約八十人が参加。
生徒指導・学校安全の施策体系などの説明、SSW調査結果の報告のあと、エリア・スーパーバイザー三人が「地域別研修会でみえてきたSSWによるアセスメントの成果と課題」について発表した。
地域別研修会は、SSWの専門性向上のため、昨年十一月に全道六会場で開き、実践事例について、アセスメント(見立て)の視点から検討を行い、エリア・スーパーバイザーが助言したもの。発表では、そのうち三会場の研修内容などを報告した。
続いて、「〝子どもの最善の利益〟を保障するためのアセスメントの在り方」をテーマにパネルディスカッションを行った。
エリア・スーパーバイザー三人、SSW二人がパネリストとして登壇。SSWからは、活動に当たって心がけていることについて、「相談を受けたとき、最初にふれた情報によって、アセスメントの方向性が変わってしまう可能性がある。子どもが何に困っているのか、その思いを置き去りにしないようにしたい」「情報の出所や情報を得た順番にとらわれず、同じ重さで受け止めなければならない」「気を付けているのは、職場で周囲の人たちから助言をいただくこと。孤立しないように、周囲と連携することが大事」「子ども本人がもつ生きる力を探すことを心がけ、ポジティブなアセスメントを心がけている」「本人の思いを聞き、大事にしていることを知り、本人が望まない支援をしないようにしている」などと発表された。
エリア・スーパーバイザーは、「SSW自身に対するアセスメントがこれからの課題。SSWが行うアセスメントの傾向、長所と弱点を踏まえ、地域での取組にどのようにつなげていくのかを考えなければ」「子ども本人がもつ強さ、長所に着目しているが、それを根拠に前進しようというところまでにはなっていない。長所に着目するのは、子どもが自分自身の課題に向き合う勇気をもつため。子どもの声なき声をどのように拾うのかが課題になるのでは」などとアドバイスした。
※キーワード
▽道教委のスクールソーシャルワーカー(SSW)活用事業=関係機関等と連携・調整するコーディネートや、子どもが置かれた環境の問題への働きかけなどを通して、問題を抱える子どもに支援を行うSSWを配置し、教育相談体制の充実を図っている。
また、本道の広域性を踏まえ、事業全体の推進に関して指導助言するスーパーバイザーを配置。エリアごとにエリア・スーパーバイザーを置き、事業実施市町村教委やSSW、道立学校からの相談を受け、必要に応じて支援を行う体制を整えている。
二十八年度の配置数は、市町村配置SSWが二十八市町村に延べ四十三人、道教委SSWが五人。スーパーバイザー一人とエリア・スーパーバイザー六人が支援を行っている。
(道・道教委 2017-03-06付)
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