【解説】児童虐待通告、12年連続増加
(解説 2017-03-14付)

 虐待の疑いがあるとして全国の警察が昨年一年間に児童相談所(児相)に通告した十八歳未満の子どもの数は初めて五万人を超え、五万四千二百二十七人(前年比四六・五%増)だったことが、警察庁のまとめで分かった。生命の危険があるなどとして警察が保護した子どもも過去最多の三千五百二十一人(同三四・二%増)だった。同庁は昨年四月、児相への積極的な通告を全国の警察に指示するなど対応を強化している。

 児相通告の内訳は、子どもに暴言を浴びせるなどの「心理的虐待」が七割近い三万七千百八十三人(前年比五三・九%増)で、うち、子どもの目の前で配偶者に暴力を振るう「面前DV」が二万四千九百九十八人(同四八・七%)だった。ほかに、身体的虐待が一万一千百六十五人(同三五・二%増)、育児怠慢・拒否のネグレクトが五千六百二十八人(同二七・〇%増)、性的虐待が二百五十一人(同四六・八%増)。

 摘発された件数は二百五十九件増の一千八十一件、検挙人員は二百六十四人増の一千百十三人、被害に遭った子どもは二百五十五人増の一千百八人で、いずれも過去最多となった。

 検挙された人員のうち、身体的虐待で立件されたのは百八十一人増の八百八十四人で、全体の八割を占めた。性的虐待は四十六人増百六十三人、心理的虐待は十五人増の三十六人、ネグレクトでは二十二人増の三十人が検挙された。

 被害に遭った子どものうち、死者は九人増の六十七人で、無理心中が二十六人、出産直後の殺人・遺棄が十一人だった。

 加害者では、実父が四百六十五人(四一・八%)で最も多く、次いで、実母が三百一人(二七・〇%)、養・継父が百七十人(一五・三%)、母親の内縁の夫が百十二人(一〇・一%)などとなっている。

(解説 2017-03-14付)

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