【解説】専門職大学等の制度化
(解説 2017-03-16付)

 開会中の第百九十三回国会では、学校教育法の一部を改正する法律案について、審議されている。実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関として、専門職大学などの制度化を目指すもの。

 第四次産業革命の進展と国際競争の激化に伴い、産業構造が急速に転換する中、優れた専門技能等をもって、新たな価値を創造することができる専門職業人材の養成が急務となっている。

 今後の成長分野を見据え、新たに養成すべき専門職業人材とは、「理論に裏付けられた高度な実践力を強みとして、専門業務をけん引できる人材」であり、なおかつ、「変化に対応しつつ、新たなモノやサービスを創り出すことができる人材」。

 高等専門職業教育の新たな枠組みによって、社会の変化に対応しつつ、人材養成の強化を図っていく。

 改正学校教育法では、大学制度の中に位置付けられた、専門職業人の養成を目的とする新たな高等教育機関として、専門職大学と専門職短期大学の制度を設ける。

 専門職大学などは、深く専門の学芸を教授研究し、専門職を担うための実践的かつ応用的な能力を育成・展開することが目的。

 課程修了者には、文部科学大臣が定める学位を授与する。

 専門性が求められる職業に関連する事業者等の協力を得て、教育課程を編成・実施するほか、教員の資質向上を図る。

 四年制の専門職大学の課程は、前期(二年または三年)と後期(二年または一年)に区分できる。また、実務経験者が入学する場合、実務経験を通じた能力の修得を勘案して、一定期間を修業年限に通算でき、社会人が学びやすくなる。

 三十一年四月一日施行。法改正の上、設置基準などによって、具体的な制度設計を行う予定。

(解説 2017-03-16付)

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