【解説】ネット上の人権侵害、過去最多
(解説 2017-03-22付)

 昨年一年間に全国の法務局や人権擁護委員が相談を受け調査した「人権侵犯事件」のうち、学校でのいじめに関する事案が三千三百七十一件と、前年に比べ一三・二%減少したものの、六年連続で三千件を超え、高水準で推移していることが、法務省のまとめで分かった。

 二十八年における新規救済手続開始件数は、前年比七・四%減の一万九千四百四十三件と四年連続で減少し、十三年ぶりに二万件を割り込んだ。

 そのうち、インターネット上に個人情報や誹謗中傷などが書き込まれた人権侵害が一千九百九件と前年より一〇・〇%増加し、最高件数を四年連続で更新。十年間で六・八倍に増えた。

 学校におけるいじめ、いわゆる学校側の対応が不適切だったとする内容のものが三千三百七十一件と前年に比べ一三・二%減少。ただ、六年連続して三千件を超え、依然として憂慮すべき状況にある。

 旧受理分を含め三千四百二十件について救済手続が完了。学校と連携して被害児童生徒をケアする「援助」が三千三百五十九件、学校と保護者の間で「調整」を行ったのが四件、体罰をした教員本人に改善を求める「説示」が二件。学校側に必要な措置を求める「要請」のほか、関係行政機関に情報提供し、措置の発動を求める「通告」、いじめをした本人への「勧告」や捜査機関への「告発」はなかった。

 一方、教職員による人権侵犯事件数は、前年比一〇・三%減の一千三百五十六件。このうち、体罰は九・三%減の四百四十八件と、三年連続で減少した。

 体罰に関する救済手続完了件数は旧受理分を含め五百六十五件。援助が百六十四件、要請が二百七十七件、説示が二百四十九件、勧告が一件。調整、通告、告発はなかった。

(解説 2017-03-22付)

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