【解説】特別支援学校の指導要領改訂案

（解説 2017-03-28付）

　文部科学省は、特別支援学校の小学部と中学部の次期学習指導要領改訂案を公表した。学習内容に応じて小学部で三つ、中学部で二つに分けた各教科の段階ごとに、身に付ける知識や育成する表現力などの目標を新たに明記した。知的障がいのある児童にも、歌やゲームで英語に親しむ「外国語活動」を設けることができるとした。

　改訂は、①学びの連続性を重視した対応②一人ひとりに応じた指導の充実③自立と社会参加に向けた教育の充実―の三つを柱に掲げ、知的障がいのある子どもための各教科などの目標や内容について、育成を目指す三つの柱「知識・技能」「思考力・判断力・表現力等」「学びに向かう力、人間性等」に基づき整理。

　知的障がいのある子どもは、同一学年でも障がいの状態や経験が多様なため、児童生徒の個別の指導計画を策定することを求め、その上で必要な場合は、小・中学校の指導要領を参考に指導できるとした。小学部は三段階、中学部は新たに二段階に分け、身に付ける知識や育成する表現力などの目標を明記した。また、小学部で、英語の「聞く・話す」が中心の外国語活動も実施できるよう規定した。

　改訂に当たって、児童生徒が障がいの有無にかかわらず一緒に学ぶ「インクルーシブ教育」が進んできていることを踏まえ、小・中・高校の教育課程との連続性を重視した。

　視覚障がいや聴覚障がい、肢体不自由、病弱の子どもについては、障がいの特性の応じて指導するよう、配慮事項を詳しく記載。

　また、すべての児童生徒にキャリア教育の充実を図ることや、生涯を通じてスポーツや文化芸術活動を体験させることも求めた。

　次期学習指導要領は、小学部が三十二年度、中学部は三十三年度から全面実施の予定。

(解説 2017-03-28付)