斜里町知床ウトロ学校が幼保と連携　スタートカリキュラム導入　園児児童交流、教師の保育参観

（学校 2017-03-21付）

　【網走発】斜里町立知床ウトロ学校（幸村仁校長）は、二十九年度から幼保小連携の一環として「スタートカリキュラム」を導入する。園児と児童の交流のほか、教師の保育参観や保育士の授業参観などを実施。幼保における「遊び」を通じた学びから、小学校における「教科学習」への円滑な移行を推進していく。

　近年、全国の学校において、学校生活や授業環境の大きな変化に対応できない子どもの「小一プロブレム」が問題となっている。

　また、新一年生の指導に当たる教師が、幼児教育の成果を理解しきれずに、児童がすでにできることを丁寧に指導してしまうケースなどがある。

　こうした背景から同校では、入学する児童および保護者が安心して、スムーズに学校生活に適応できるよう、二十九年度から「スタートカリキュラム」を導入する。

　「組織をつなぐ」「カリキュラムをつなぐ」「学びをつなぐ」―の三つの視点に基づいた取組を推進。幼保小の連携を強化し、小一プロブレムの解消や幼児教育への理解促進を図っていく。

　「組織をつなぐ」に関しては、教師と保育士の連携、相互理解の場を設定。教師の保育参観や保育士の授業参観の機会を設けるほか、年二回の連携協議会の実施などを予定している。

　「カリキュラムをつなぐ」に関しては、園児と児童の交流の場を設定。入学前に年長と一年生の交流のほか、年長と三年生の交流を実施。入学後は一年と四年で合同授業を行うなど、児童の学校生活へのスムーズな適応を支援する。

　「学びをつなぐ」に関しては、総合的な指導から系統的な教科指導への円滑な接続に向けて、適応指導事項の洗い出しや、校内環境の整備に努めていく。

　幸村校長は「幼保小の連携を強化し、十二年間の連続した学びの実現に期待する」と話していた。

(学校 2017-03-21付)