国研の教育課程研究指定校事業　より円滑な接続・連携を　１２ヵ年指導計画作成目指す―天塩中・天塩高が中間報告

（学校 2017-03-28付）

　【留萌発】天塩町立天塩中学校（池田和人校長）と天塩高校（間義浩校長）は、国立教育政策研究所の「教育課程研究指定校事業」における校種間連携の取組について、中間報告をまとめた。二月上旬に東京都で行われた研究取組発表の内容をもとに、一年次目となる本年度の主な取組と成果を整理。二十九年度は、各教科における課題の明確化、育成する具体の資質・能力を明示するなど、校種間での引き継ぎを意識した十二ヵ年指導計画の作成・整備を行っていく。

　天塩町では、昭和四十二年度に「町教育研究協議会」が組織されて以来、小・中学校間の校種間連携について、研究協議を推進。二十六年度からは高校も協議会に参加し、各教科指導にかかる協議を行っている。しかし、各校種における指導・評価方法に関する情報共有や、系統性のある指導の在り方についての話し合いは十分とは言えず、研究協議も実施回数も年一回にとどまっていた。

　これらを踏まえ、天塩中学校と天塩高校は本年度から、文部科学省の指定教育課程研究指定校事業において、校種間連携に関する実践研究への取組を開始。中・高による校種間連携は全国初の取組で、研究期間は二年間となっている。

　両校は、「義務教育段階における学習状況を踏まえた、高校における学習指導や学習評価の改善充実および系統性のある指導計画作成に関する研究」を主題とし、研究を推進。一年次目となる本年度の主な取組として、研究授業・協議を十五回、高校から中学校への乗り入れ授業を七回、各校種間の教員による教科ミーティングを二十九回実施している。

　また、小中高での学習の系統性を重視した教育課程を編成し、これを実践。小中高の十二年間を見据えた教科指導を行えるよう、十二ヵ年指導計画作成に取り組んでいる。

　両校は今後、二年次目となる二十九年度において、①各教科における課題の明確化②十二ヵ年指導計画の作成・指導方法・評価方法の工夫改善③生徒アンケート等による状況把握―の三点を重点事項として研究を推進する。各教科における課題や、生徒の変容の状況を把握した上で、十二ヵ年指導計画に反映し、育成する具体的な資質・能力の明示など、校種間での引き継ぎを意識した作成・整備を行っていく。

　さらに、事業の目標として、「天塩町だからこそできたこと、天塩町でなくてもできること」を設定。校種間連携の普及に向け、事業に積極的に取り組んでいく考えだ。

(学校 2017-03-28付)