29年度宗谷管内教育推進の重点 5つの柱で教育を創造 キーワードは〝連携・協働〟―宗谷局公立学校長会議(道・道教委 2017-04-21付)
【稚内発】宗谷教育局は十一日、宗谷合同庁舎で管内公立学校長会議を開催した。小・中・高校、特別支援学校の校長六十三人が出席。野﨑弘幸局長が宗谷管内教育推進の重点について説明した。本年度の教育推進のテーマを「未来への責任を果たす宗谷の教育の創造」とし、五つの柱と対応する十二の重点推進項目を掲げた。野﨑局長は出席者に対して、「教職員の日常に目を向け、力強いリーダーシップのもと、全職員が互いに信頼し合って安定した学校運営が行われるよう存分に力を発揮してほしい」「引き続き経営手腕を発揮し、宗谷教育の充実・発展に尽力してほしい」と呼びかけた。
野﨑局長の説明内容はつぎのとおり。
【はじめに】
管内においては、これまで、「未来への責任を果たす宗谷の教育の創造」に向けて、学校が、地域社会と連携・協働し、社会とのつながりの中で学ぶ「社会に開かれた学校」づくりに努めるとともに、管内が一体となって、ふるさと宗谷を愛し、地域の発展に主体的に貢献する子どもを育成してきた。
校長には、最北の地の豊かな自然や文化等を積極的に活用し、「地域とともにある学校づくり」を進めるとともに、管内が一丸となって「第四回宗谷管内教育研究大会枝幸大会」を成功に導くなど、学校が組織としての機能を発揮し、管内教育の充実・発展に多大な貢献をしていただいていることに心から感謝申し上げる。
▼管内教育推進のテーマ
現在、情報化やグローバル化といった社会的変化が、加速度的に発展しており、私たちには、急激な変化の中で高度化・複雑化した諸課題に対応する教育の創造が求められている。
このような中、将来の変化を予測することが困難な時代に身を置く子ども一人ひとりが、自らの夢を切り拓き、自立して生き抜いていけるよう、学校は、確実にその基礎となる力を培い、豊かな学びと成長を保障する場であるとともに、地域コミュニティの拠点としての機能を発揮していくことが期待されている。
これら時代の変化と社会から求められる学校像を踏まえ、北海道教育の基本理念を「自立」と「共生」として策定された「北海道教育推進計画」に基づき、宗谷管内においては、「五つの柱」「二十五の推進項目」を策定し、取組を進めているが、昨年度までの取組の成果と課題を踏まえ、管内の喫緊の課題として十二の重点推進項目を設定し、オール宗谷で確実に取組を推進したいと考えている。学校、市町村教委、教育局が軌を一にした取組を力強く進めたいと考えているので、理解と協力をお願いする。
本年度の「宗谷管内教育推進の重点」について、五つの柱から申し上げる。
【Ⅰ 社会で活きる実践的な力の育成】
柱の一つ目は、「子どもの心に灯(ひ)をともし、社会で活きる実践的な学力を育成する教育の推進」。
柱1の重点とする推進項目は、「確かな学力の育成をめざす教育の推進」「特別支援教育の充実」「ふるさと教育・キャリア教育の充実」の三点である。
一つ目の重点推進項目「確かな学力の育成をめざす教育の推進」について。
国においては、本年三月に次期学習指導要領を公表し、子どもたちが未来社会を切り拓くための資質・能力を一層確実に育成することが示された。
管内においては、二十八年度「全国学力・学習状況調査」の管内における平均正答率が、小学校算数A・Bを除くすべての教科で、全国の平均正答率との差が縮まったものの、すべての教科で全国平均を下回り、算数・数学の平均正答率は依然として小学校で全国と五ポイント以上、中学校で六ポイント以上の差がある。
また、児童生徒質問紙調査において、「普段一時間以上勉強する」と回答した子どもは、全国と比較して小学校で十五ポイント以上、中学校で三十ポイント以上低い状況がみられる。
高校では、「北海道高校学習状況等調査」における「学習習慣」の項目において、「家庭学習を一度もしない週がある」と回答した生徒が、全道平均より低いものの、五〇%を超える状況にある。
このことから、学習指導要領改訂の趣旨を踏まえた教育課程の編成、教育課程の編成・実施・評価・改善を図る実効性のあるカリキュラム・マネジメントの実現、全校体制による組織的な授業改善の推進、学校・家庭・地域が一体となった学習習慣および生活習慣の確立が解決していく課題である。
そのため、「具体の方策」として、
▽社会とのつながりがみえる教育課程の編成・実施
▽カリキュラム・マネジメントを機能させた教育活動の改善充実
▽学校が一体となって、組織の方向を明確にした授業改善の推進
▽学校、家庭が一層連携した望ましい生活習慣と学習習慣の確立
―に重点的に取り組み、確かな学力の育成に向け、「共通」「一貫」「継続」「徹底」した取組を組織的・計画的に進めるとともに、保護者や地域住民とともに、家庭学習の習慣化を図る取組の推進に努めるようお願いする。
つぎに、二つ目の重点推進項目「特別支援教育の充実」について。
次期学習指導要領においては、障がいのある子どもに対し、教師間の連携はもとより、家庭、地域および医療や福祉、保健、労働等の関係機関との連携を図り、長期的な視点で子どもへの教育的支援を行うことが示されている。
管内においては、すべての小・中学校で「個別の教育支援計画」を作成し、小・中学校間での引き継ぎに活用されているが、高校等への引継、就労先等との連携に十分活用されていない状況がみられる。
また、通常の学級において特別な教育的支援を必要とする子どもに対応できるよう、校内研修の充実が求められているが、学校全体で特別支援教育にかかわる研修を推進する体制が整備されていない状況もみられる。
このことから、「個別の教育支援計画」を活用した引き継ぎの実施および教育相談や支援体制の確立、通常の学級における特別な教育的支援を必要とする子どもへの指導を充実するための校内研修の改善・充実を図ることが解決していく課題である。
そのため、「具体の方策」として、
▽関係機関の連携による早期からの一貫した支援体制の確立
▽すべての教職員が理解を深める特別支援教育に関する研修の充実
―に重点的に取り組み、関係機関と連携し、切れ目のない一貫した支援を進めるとともに、子ども一人ひとりのニーズに応じた教育の充実に努めるようお願いする。
三つ目の重点推進項目「ふるさと教育・キャリア教育の充実」について。
少子高齢化や地域の人口減少が進み、地域社会が大きく変化している中、ふるさとへの愛着や誇りを育み、地域社会の一員としてまちづくりにかかわる人材を育成することが求められている。
管内においては、二十八年度「全国学力・学習状況調査」の児童生徒質問紙調査の中で、「地域の行事に参加している」と回答した子どもの割合が、全国と比較して高く、子どもが自分の生まれ育った地域に関心をもち、地域とかかわっている状況がみられるものの、全道的に取組の充実が求められている。
このことから、地域の教育資源を活用したキャリア教育の充実、北海道特有の教育課題であるアイヌの人たちの歴史・文化等に関する指導や、北方領土に関する学習、観光教育の一層の充実、学ぶことや働くことの意義を理解し、学ぶ意欲を高める指導方法の改善が解決していく課題である。
そのため、「具体の方策」として、
▽宗谷の未来を担う人材の育成
▽地域の資源を生かした教育活動の工夫
―に重点的に取り組み、宗谷の自然や文化、観光を含む産業など、地域の教育資源を積極的に活用した学習の一層の充実や発達の段階を踏まえた小・中・高一貫したキャリア教育の推進に努めるようお願いする。
【Ⅱ 豊かな心と健やかな体の育成】
つぎに、柱の二つ目、「自他の心のぬくもりを大切にする豊かな心と健やかな体を育成する教育の推進」について。
柱2の重点とする推進項目は、「道徳教育の充実」「体力・運動能力の向上」の二点である。
一つ目の重点推進項目「道徳教育の充実」について。
子どもを取り巻く環境が目まぐるしく変化する中、道徳教育では、自己の生き方を考え、主体的な判断のもとで行動し、自立した一人の人間として、他者と共によりよく生きるための基盤となる道徳性を養うことが求められている。
管内においては、学習指導要領の一部改正を受けた道徳教育の充実が図られ、全体計画に基づく教育活動全体を通じた道徳教育の充実が進められている。
一方で、「いじめは、どんな理由があってもいけないことだと思う」と回答した子どもの割合が、小学校で八三・九%、中学校で六九・六%にとどまる状況がみられる。
このことから、学習指導要領の一部改正を踏まえた取組の推進、いじめの問題や情報モラル等の今日的な課題を踏まえた学校の教育活動全体での道徳教育の一層の充実、子どもが自分ごととして考える「道徳の時間」の授業改善が解決していく課題である。
そのため、「具体の方策」として、
▽実態を踏まえた全体計画に基づき、教育活動全体で道徳性を養う取組の推進
▽いじめの問題や情報モラル等の今日的な課題に対応した道徳教育の充実
▽「考え、議論する道徳」へと質的転換をする授業改善の推進
―に重点的に取り組み、物事を多面的・多角的に考え、他者とのかかわりについて考えを深める指導の充実に努めるようお願いする。
つぎに、二つ目の重点推進項目「体力・運動能力の向上」について。
あらゆる活動の源となる体力の向上を図るために、地域の関係機関・団体の協力を得ながら、計画的・継続的に指導することが求められている。
管内においては、二十八年度「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」の結果から、昨年度と比較して、小学校男子および女子、中学校男子で体力合計点が改善している状況がみられ、学校の創意工夫を生かした「一校一実践」の取組など、日常的な体力向上の取組が進められた成果があらわれている。
このことから、体を動かすことが好きな子どもを育成する体育・保健体育の授業改善、学校・家庭・地域が一体となって運動する機会や運動に親しむ機会の設定が解決していく課題である。
そのため、「具体の方策」として、
▽子どもの運動習慣の形成を促す体育・保健体育の授業改善の推進
▽学校・家庭・地域が一体となった運動機会の設定の推進
―に重点的に取り組み、子どもたちが積極的に心身の健康の保持増進を図り、生涯にわたって健康で活力ある生活を送ることができるよう指導の充実に努めることをお願いする。
【Ⅲ 信頼される学校づくりの推進】
つぎに、柱の三つ目は、「心の絆で結ばれた信頼に満ちた学校づくりの推進」について。
柱3の重点とする推進項目は、「特色ある学校づくりの推進」「学校間の連携・接続の推進」「教職員の資質・能力の向上」の三点である。
一つ目の重点推進項目「特色ある学校づくりの推進」について。
各学校では、地域の特性を生かした魅力ある教育活動を進めるとともに、学校評価を効果的に活用して学校課題を明確にし、全教職員が一体となって学校改善を進め、その成果を保護者や地域と共有して確かな信頼を得る学校づくりが求められている。
管内においては、学校評価等から学校の課題を明確にしたり、PDCAサイクルを確立したりする学校が多いものの、PDCAサイクルにおける検証の時期や内容、検証結果に基づく改善方策や実施体制、進行管理が不明確なため、教育課程について編成、実施、評価して改善を図る一連のPDCAサイクルが十分に機能していない状況もみられる。
このことから、保護者や地域住民に分かりやすく学校経営方針を提示すること、評価・改善を中核としたマネジメント機能の強化、学校課題の明確化、校長の強いリーダーシップによる学校経営の推進が解決していく課題である。
そのため、「具体の方策」として、
▽特色がみえる学校経営方針の家庭や地域との共有
▽ショートスパンのサイクルによるマネジメント機能の強化
―に重点的に取り組み、学校や地域、子どもの実態に基づく取組の推進に努めるようお願いする。
二つ目の重点推進項目「学校間の連携・接続の推進」について。
子どもの能力・個性を最大限に伸ばす教育を進めていくためには、子どもの育ちを見通すとともに、小・中学校、高校への進学時におけるつまずきに対応することなど、学校種間の円滑な連携・接続を図ることが求められている。
管内においては、すべての小・中学校で、学校間の引き継ぎを実施するとともに、中学校区を基本に、相互の授業参観や分掌会議など、連携・協力した取組を進めている一方で、学校間での目指す子ども像の共有、教育課程の接続が不十分であることから、子どもの実態交流や授業交流に止まっている状況もみられる。
また、小・中学校がともに義務教育を担うパートナーとして、義務教育九年間の系統性・連続性に配慮した教育活動の一貫性を確保することに、不十分な状況もみられる。
このことから、中学校区における校種間の接続を具体化した教育課程の編成、義務教育段階九年間を見通した目標の設定、目標を達成するための教職員の共通理解および協働した取組の推進が解決していく課題である。
そのため、「具体の方策」として、
▽学校種間の接続を図る教育課程の編成、実施
―に重点的に取り組み、各学校段階の目標を再確認するとともに、長期的な視野に立った一貫性のある教育の推進に努めるようお願いする。
三つ目の重点推進項目「教職員の資質・能力の向上」について。
保護者が安心して子どもを託せる学校づくりを進めるため、教育の直接の担い手である教職員には、教育に対する強い情熱や使命感、豊かな人間性や社会性、高い指導力等の専門性を身に付けることが求められている。
管内においては、校内研修等でワークショップの手法を取り入れ、協議の活性化を図る研修会を実施したり、すべての小・中学校で授業公開を通した授業改善の取組が進められたりするなど、教員の指導力向上の機運が高まってきている状況がみられる。
また、教職員の服務規律の保持については、機会あるごとに指導いただいているが、昨年度においては、全道的にも多数の懲戒処分事案が発生しており、憂慮すべき状況となっている。
このことから、校内研修の質的改善の推進、校外研修への積極的な参加および管内への還元、校内における人材育成に向けた組織体制の整備、教科等指導力の向上に向けた取組、法令順守や服務規律の意識の高揚を図る取組を推進することが解決していく課題である。
そのため、「具体の方策」として、
▽メンター研修等の実施によるキャリアステージに応じた教員研修の質的改善
▽宗谷管内教育研究連携会議や各種研修等を活用した教科指導力の向上
▽地域の信頼を高める教職員の服務規律の徹底
―に重点的に取り組み、困難な課題に同僚と協働し、地域と連携して対応できる教員や社会からの尊敬・信頼を受ける教員の育成に努めるようお願いする。
【Ⅳ 地域全体で子どもたちを守り育てる体制づくりの推進】
つぎに、柱の四つ目は、「地域全体の温かな目で子どもたちを守り育てる教育環境づくりの推進」について。
柱4の重点とする推進項目は、「家庭の教育力の向上・子育て支援の充実」「地域の教育力の向上」の二点である。
一つ目の重点推進項目「家庭の教育力の向上・子育て支援の充実」について。
近年、核家族化や少子化が進む中、保護者の育児不安の広がりやしつけへの自信喪失、児童虐待などが問題となっており、家庭の教育力の向上、子育て支援の充実が求められている。
管内においては、家庭教育や子育てに関する学習支援などの取組が広がっており、学習機会の提供などが行われているものの、全市町村での実施になっていない状況がみられる。
このことから、家庭教育や子育てに関する学習・相談機会の充実や望ましい生活習慣の確立など、家庭教育に関する情報提供の充実を図っていくことが取組を進めるための課題である。
そのため、「具体の方策」として、
▽保護者同士の学び合いを促進する家庭教育や子育てに関する学習・相談機会の充実
▽保護者の取組を促す家庭教育に関する情報提供の拡充
―に重点的に取り組み、学校、家庭、地域が一体となって、子どもたちの成長を支える活動の充実に努めるようお願いする。
二つ目の重点推進項目「地域の教育力の向上」について。
近年、少子化、情報化、過疎化等によって、地域の教育力が低下していると指摘されており、学校、家庭、地域の連携を強めて教育活動を進めていくことが求められている。
管内においては、すべての市町村で、学校支援活動が行われるとともに、「放課後子供教室」等の子どもの活動拠点づくりが確立されている。
今後は、保護者や地域住民が学校運営に参加するコミュニティ・スクールの導入など、地域の人々が学校と連携・協働する活動を推進する取組が必要となる。
このことから、コミュニティ・スクールの取組等に、地域の教育力が生かされる仕組みの充実、地域と学校が協働・連携して地域を創生する地域学校協働活動の推進が取組を進めるための課題である。
そのため、「具体の方策」として、
▽地域の教育力を学校の教育活動に生かすコミュニティ・スクールの導入促進
▽地域と学校が連携・協働して地域を創生する地域学校協働活動の推進
―に重点的に取り組み、地域社会を構成する一人ひとりが主体的・自主的に子どもたちの教育に携わり、連携・協働できるよう体制整備に努めるようお願いする。
【Ⅴ 北海道らしい生涯学習社会の実現】
柱の五つ目は、「宗谷らしい生涯学習社会の実現」について。
柱5の重点とする推進項目は、「生涯学習推進体制の充実・生涯学習活動の促進」「社会教育推進のための基盤整備・社会教育活動の推進」の二点である。
一つ目の重点推進項目「生涯学習推進体制の充実・生涯学習活動促進」について。
現在の生涯学習においては、個々の多様な学習ニーズや現代的・社会的な課題等に対応して、誰もがいつでも学ぶことのできる体制の確立が求められている。
管内においては、すべての市町村で計画的に生涯学習社会の構築に向けた取組が進められる一方、学習内容については、地域のよさにふれる機会や課題を学ぶものが少ない状況にある。
このことから、地域のよさや課題に対応した学習機会の充実、地域の中で学びを生かす仕組みの構築、道民カレッジ連携講座やほっかいどう学ネット検定の推進が取組を進めるための課題である。
そのため、「具体の方策」として、
▽宗谷のよさを生かして、持続可能な社会をつくる学習機会の充実
▽地域社会とのつながりを活用し、地域の中で学びを生かす仕組みの構築
―に重点的に取り組み、地域コミュニティの活性化に努めるようお願いする。
二つ目の重点推進項目「社会教育推進のための基盤整備・社会教育活動の推進」について。
生涯学習の推進には、学習ニーズの多様化・高度化への対応や、地域課題の解決への参画促進につながるよう、社会教育指導者の養成や社会教育施設の整備・充実が求められている。
管内においては、社会教育主事や図書館司書の研修が行われている一方、市町村によっては社会教育指導者の配置や育成が十分ではない状況もみられる。
このことから、社会教育活動の啓発と体制整備、社会教育指導者の意識や専門性を高める研修の充実が取組を進めるための課題である。
そのため、「具体の方策」として、
▽社会教育関係団体と連携した社会教育活動の啓発と社会教育指導者の養成
―に重点的に取り組み、社会教育の推進に努めるようお願いする。
【むすび】
以上、本年度の管内教育の推進に当たり、オール宗谷で特に力を入れて取り組んでいただきたい「重点推進項目」と「具体の方策」について、申し上げた。
本年三月の次期学習指導要領の公表までの間に各種答申が示され、その中では「社会に開かれた教育課程」をキーワードとして、これから求められる学校像が明らかにされた。
グローバル化や情報化、技術革新が急速に進む現代社会にあって、現在の子どもたちが成長し、生きていく社会は、複雑で予想することの難しい未来が待ち受けているが、こうした変化を前向きに受け止め、より良い社会と幸福な人生を自ら創り出していく力を身に付けさせることは、教育の使命である。
これからの学校教育においては、子どもたちに、様々な社会的変化を乗り越え、より良い人生とより良い社会を築くための資質・能力を確実に身に付けさせる必要があり、学校を変化する社会に位置付け、社会との連携・協働による「社会に開かれた教育課程」を実現することが大切であると考える。
校長の皆さんには、子どもの教育を学校教育で完結するのではなく、社会の情勢や地域の実情を踏まえ、社会とのかかわりの中で求める子ども像を明確にした学校経営の推進をお願いする。
教育局としても、子どもたちが、生まれ育った地域に誇りと愛着をもち、互いに支え合いながら、たくましく生きていく力を身に付けていくために、「自立」と「共生」という北海道教育の理念のもと、本年度の「宗谷管内教育推進の重点」を校長の皆さんと共有しながら、「連携・協働」をキーワードとして、教育委員会や学校はもとより、関係機関など多くの人と、これまで以上に連携しながら、職員一丸となって管内教育の充実・発展に全力で取り組んでいくので、今後とも、理解と協力をお願い申し上げる。
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野﨑局長が管内教育推進の重点を説明した
(道・道教委 2017-04-21付)
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