道教委の学校図書館活用促進事業 小中14校で研究推進 図書館活用した授業実践など(道・道教委 2017-05-17付)
道教委は、本年度から三ヵ年計画で、「学校図書館活用促進事業」に取り組む。全道十四管内で、学校図書館の環境整備や学校図書館を活用した授業づくりに関する「学校図書館活用促進研修会」を開催。小学校九校、中学校五校、計十四校を研修会会場校(指定校)に選定する。各校では、学校図書館全体計画等の策定や改善・充実、学校図書館を活用した授業実践などを実施する。一方、市町村教委、教育局、道教委生涯学習課は、各種計画の整備、授業実践への指導助言等を行い、取組を支援していく。
中央教育審議会答申「幼稚園、小学校、中学校、高校および特別支援学校の学習指導要領等の改善および必要な方策等について」では、「主体的・対話的で深い学び」の充実に向け、読書活動に加え、子どもたちが学びを深めるために必要な資料の選択や情報の収集、教員の授業づくりや教材準備等を支える学校図書館の役割への期待の高まりが示されている。
また、文部科学省は昨年十一月、各都道府県教委、指定都市教委に対し、「学校図書館ガイドライン」を発出。学校図書館の望ましい運営の在り方、整備の視点を示した。
一方、道内では、学校図書館を利用する児童生徒や、授業で計画的に学校図書館を活用する学校の割合が、全国と比べ低い傾向にある。二十八年度に文科省が実施した図書館の現状に関する調査によると、学校図書館の全体計画を策定している道内小・中学校の割合は、小学校が全国と比べ二九・〇ポイント低い五八・七%、中学校が二五・九ポイント低い四五・九%にとどまった。
また、二十八年度全国学力・学習状況調査結果によると、図書館資料を活用した授業を月に数回以上、計画的に実施している道内小・中学校の割合は、小学校が全国より四・四ポイント低い三八・七%、中学校は〇・五ポイント高い一二・二%だった。
「北海道学力・体力向上対策推進事業」の一環となる「学校図書館活用促進事業」は、これらの課題解決に向けて、本年度から三十一年度までの三ヵ年計画で実施するもの。全道十四教育局が管内の小学校または中学校一校を研修会会場校(指定校)に選定。学校図書館の環境整備や学校図書館を活用した授業づくりに向けて「学校図書館活用促進研修会」を開催する。
指定校は、三年間に一度、学校図書館活用促進研修会を開催。各管内小・中学校の学校図書館担当教員等を対象に、学校図書館の在り方に関する講座、学校図書館を活用した授業公開や研究協議、環境整備や全体計画・指導計画の事例発表などを行う。
二十九年度は、五管内の小学校三校と中学校二校で、三十年度は、五管内の小学校三校と中学校二校で、三十一年度は四管内の小学校三校、中学校一校でそれぞれ開催する予定。
同研修会を開催しない年度は、教育局または市町村教委が主催する会議または研修会等で、同事業の取組に関する事例発表を行う。
一方、市町村教委、教育局、道教委は、学校図書館全体計画など各種計画の整備に関する指導助言のほか、研修会の開催前に指定校を訪問し、授業実践等への指導助言も行う。
また、道教委では、年度ごとに指定校における取組および同研修会の成果を事例集としてまとめ、広く全道に普及・啓発する。
道教委では、「文科省が示した〝学校図書館ガイドライン〟を踏まえた上で、学校図書を活用した授業づくり、学校図書館の環境整備に取り組んでほしい」と期待する。
(道・道教委 2017-05-17付)
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