子どもの生活実態調査結果―道まとめ 授業理解度と収入に相関 年収階層別に教育状況分析(道・道教委 2017-06-09付)
道は、「北海道子どもの生活実態調査」の報告書を取りまとめ、七日の道議会少子・高齢社会対策特別委員会で報告した。子どもの教育について、世帯の年収階層別にみると、年収が下がるのに伴い、学校の授業が分からないと回答する児童生徒が増加。高校二年生の進路希望は、年収が低い階層が、「高校まで」との回答が多く、「大学まで」よりも「短大・高等専門学校・専門学校」を望む傾向がある。高二の保護者も、年収五百万円未満の階層で、「就職」の割合が高く、「四年制大学」が低い傾向がみられた。
子どもの貧困対策を効果的に推進するため、世帯の経済状況と子どもの生活環境や学校・家庭での過ごし方などとの関係を具体的に把握しようと、道保健福祉部と北海道大学大学院教育学研究院が連携して、二十八年十~十一月に調査を行った。
道央(空知・石狩、後志、胆振・日高に細分)、道南、道北、オホーツク、十勝、釧路・根室の十三市町で実施。
対象は、小学校二年生・同五年生・中学校二年生・高校二年生の保護者一万九百四十二人、小五・中二・高二の子ども八千百八十七人。有効回答率は、保護者七七・一%、子ども七六・〇%。
報告書では、調査結果から、「子どもの教育」「生活状況」「保護者の就労状況」「経済状況」「相談の状況」などについて取りまとめた。
子どもの教育についてみると、「学校の授業で分からないことがあるか」との質問に、「あまり分からない」「分からないことが多い」「ほとんど分からない」と回答した小五・中二・高二は約三割。小五が一五・七%、中二が三五・五%、高二が四四・〇%と学年が上がるのに伴い、その割合が高くなった。
年収階層別にみると、授業が分からない子どもは、七百万円以上一千万円未満が二五・二%、五百万円以上七百万円未満が二七・三%、四百万円以上五百万円未満が三四・七%、三百万円以上四百万円未満が三六・〇%、二百万円以上三百万円未満が三六・三%、百万円以上二百万円未満が三八・三%など。年収が下がるのに伴い、割合が高くなる傾向がある。
高二の進路希望を年収階層別にみると、「高校まで」は、全体が二一・〇%なのに対し、二百万円以上三百万円未満が二九・九%、百万円以上二百万円未満が三〇・七%などと、年収が低い階層で割合が高い。
また、二百万円以上三百万円未満は、「短大・高等専門学校・専門学校まで」が二七・一%なのに対し、「大学まで」が二四・三%、百万円以上二百万円未満は、短大などが三二・〇%に対し、大学が二五・三%などと、年収が低い階層では、大学よりも短大などを望む傾向がみられる。
高校までと回答した理由には、半数近くが、「お金のことが心配だから」を挙げた。
高二の保護者の二四・一%は、子どもの高卒後の進路について、「就職」を希望。その割合は、年収五百万円以上の保護者が一割強から二割強なのに対し、五百万円未満は三割前後と高くなった。五百万円未満の保護者で、「四年制大学」と回答した割合は、「就職」を下回った。
(道・道教委 2017-06-09付)
その他の記事( 道・道教委)
志願者総数355人の減に 30年度教員採用候補者選考検査
道教委は、道と札幌市の三十年度公立学校教員採用候補者選考検査の志願状況を発表した。志願者総数は、前年度と比べ三百五十五人減の五千三百六十三人。養護教諭を除くすべての受検区分で志願者が減少し...(2017-06-13) 全て読む
北私幼と道が意見交流 子どもの未来語り合う 幼児教育テーマに高橋知事と
道と道私立幼稚園協会(北私幼、川畠教孝会長)は八日、知事公館で「子どもの未来を語る会」を開いた。道内における幼児教育の現状、これからの幼児教育をテーマに意見を交換。「若い世代の人間が子ども...(2017-06-13) 全て読む
発達障がいなどへの支援事業―道・道教委 石狩市など16地域指定 教育相談、支援体制を充実
道の障がい児等支援連携体制整備事業、道教委の特別支援教育総合推進事業「発達障がい支援成果普及事業」の二十九年度推進地域に、全道十六地域が決定した。新規は石狩市や室蘭市など九地域。保健・福祉...(2017-06-13) 全て読む
道教委が時間外勤務等縮減推進会議 保護者や地域の理解必要 部活動休養日設定の意義など
道教委は八日、道庁別館で二十九年度第一回時間外勤務等縮減推進会議を開いた。部活動指導の見直しや労働時間の把握・記録などについて協議した。部活動指導については「休養日の意義や必要性を保護者、...(2017-06-12) 全て読む
CS協議会の実施計画決定―道教委 道北皮切りに4会場で 講話、実践発表など実施
道教委は、本道におけるコミュニティ・スクール(CS)の取組充実に向けた「CS協議会」の実施計画を決定した。道北会場(八月二十六日、上川総合振興局)を皮切りに、全道四ブロックで開く。制度の適...(2017-06-12) 全て読む
道産業教育審議会が第3回会合 礼儀・道徳の指導充実を グローバル人材育成などで協議
道産業教育審議会(吉田勝彦会長)は七日、道庁別館で第二十六期第三回会合を開いた。グローバル社会に対応できる資質・能力等をテーマに審議。情報伝達能力の向上、礼儀・道徳面の指導の充実を求める声...(2017-06-09) 全て読む
PTAアンケート結果―道教委 「平日の宿題」最も増加 学力向上に向けた取組要望
本道の子どもたちの学力向上のため、保護者は学校に対し、「習熟度別少人数指導」「長期休業期間の補充的な学習サポート」「平日の宿題」などを求めていることが、道教委の二十八年度北海道の教育に関す...(2017-06-08) 全て読む
医進類型指定校等連絡協議会―道教委 この適性、適切に判断を 道医師会・長瀬会長が講演
道教委は六日、道庁別館で二十九年度医進類型指定校等連絡協議会を開いた。道医師会の長瀬清会長が、「高校教育に期待する医師としての必要な力の育成」と題して講演。思いやりの心をもつことや人格の涵...(2017-06-08) 全て読む
道教委が高校配置計画案発表 31年度に幕別2学級増 32年度は24校で25学級減
道教委は六日、公立高校配置計画案を発表した。三十~三十一年度計画の変更では、三十一年度に、幕別町内の私立江陵高校が募集停止となることなどを考慮して、幕別高校で二学級増とし、新入生は江陵高校...(2017-06-07) 全て読む
30年度特別支援配置計画―道教委 本科定員は17人増に 31年度以降も間口確保検討
道教委は六日、三十年度公立特別支援学校配置計画案を発表した。障害種別では、視覚障害で札幌視覚支援の本科普通科で一学級増の一方、同じく本科普通科(重複)で一学級減。聴覚障害では、高等聾の本科...(2017-06-07) 全て読む