道産業教育審議会が第3回会合 礼儀・道徳の指導充実を グローバル人材育成などで協議(道・道教委 2017-06-09付)
早期離職を減少させる方策についても審議した
道産業教育審議会(吉田勝彦会長)は七日、道庁別館で第二十六期第三回会合を開いた。グローバル社会に対応できる資質・能力等をテーマに審議。情報伝達能力の向上、礼儀・道徳面の指導の充実を求める声が挙がったほか、地域で人材を育てる機運醸成に向けた意見交換の重要性が指摘された。インターンシップに関しては、学校側の負担を考慮し、企業が作成した映像資料等を活用して、社会で求められる力を伝えるなどのアイデアも。早期離職者の減少に向けては、企業側のより踏み込んだ情報提供、仕事上の悩みを語れる相談相手の確保、異世代との交流の大切さなどが挙げられた。
第二十六期審議会の審議内容は、「本道におけるグローバル人材の育成」。「グローバル社会に対応できる資質・能力等について」「学校と社会とを円滑に接続させる人材育成システムの構築について」を柱に掲げた。
第三回審議会には、委員十五人のうち十三人が出席した。
開会に当たり、道教委の北村善春学校教育局長があいさつ。子どもたちの育成の方向性を学校と社会が一致させ、協力して取り組むことが問われているとし、「皆さんの審議の方向性が、これからの時代の新しい教育をけん引する一つの在り方になる」と期待した。
議事では、①グローバル社会に対応できる資質・能力等②グローバル社会に対応できる資質・能力等を育成するための地域や企業および大学等と連携した教育課程の編成③早期離職を減少させる方策―をテーマに審議。
①では、情報化の進展に伴い、対面でのコミュニケーション能力の育成が今後さらに重要になるとされ、「報告・連絡・相談が情報共有にとって最も重要。情報伝達能力の質が高まるよう、ポイントを絞った教育をしてほしい」「あいさつ、ビジネスマナーなど、礼儀、道徳面を学校や家庭でしっかり指導してほしい」などの意見が挙がった。
②では、実習でつくった商品の販売会など、学校・地域が連携して実施する取組について、「実際の接客経験を通し、早い段階で今取り組んでいる学習の意味に気づくことは重要」との意見が出た。また、英語を使った体験活動の重要性が指摘され、「国際大会へのボランティア活動の参加などを検討しては」との意見があった。
インターンシップに関しては、企業側から学校側の負担を懸念する声も挙がり、「企業が制作した映像資料等を学校で活用し、社会で必要な力を生徒たちに伝えては」とのアイデアも。このほか、「地域で人材を育てる機運を高めるため、目的、テーマ、視点、互いの要望を交流し合うことが大事」との意見が挙がった。
③では、仕事のイメージと現実にギャップを感じる人、厳しさについていけない人が多く離職している傾向があることから、企業側のより踏み込んだ情報提供を求める声が挙がった。また、仕事上の悩みを語れる相談相手の確保、異世代との交流経験の重要性が指摘された。
(道・道教委 2017-06-09付)
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