医進類型指定校等連絡協議会―道教委 この適性、適切に判断を 道医師会・長瀬会長が講演(道・道教委 2017-06-08付)
医師に必要な力について述べる長瀬道医師会長
道教委は六日、道庁別館で二十九年度医進類型指定校等連絡協議会を開いた。道医師会の長瀬清会長が、「高校教育に期待する医師としての必要な力の育成」と題して講演。思いやりの心をもつことや人格の涵養、多職種との連携に必要なコミュニケーション能力などを育てる重要性を挙げ、「子どもの適性を適切に判断できる教師の役割が重要」と述べた。
道内医育大学や保健福祉部など関係機関の協力を得て、将来の地域医療を支える人材育成に取り組む「地域医療を支える人づくりプロジェクト事業」の一環。協議会は、同事業の医進類型指定校および協力校における教育課程の編成・実施や指導方法の工夫改善の状況等に関する情報交換、協議を行い、各校の取組を支援するとともに、事業の円滑な実施を図るもの。
医進類型指定校、協力校の校長・副校長・教頭および教諭、道内三医育大学の職員ら約三十人が参加した。
長瀬会長は、講演の中で、医師に求められるものとして、患者に対する思いやり、人格の重要性や、多職種との緊密な連携に必要なコミュニケーション能力、生涯教育などを挙げた。子どもと長時間向き合い、適性を適切に判断できる教師の役割の大切さを指摘した。
また、コンピューター操作に慣れた若い世代の中に、人の目を見て話さない、相手の気持ちを考えないなどの傾向が多いことから、「大学に入ってからでは遅い。早い段階から人と向き合う心、コミュニケーション力を育む指導をお願いしたい」と求めた。
このほか、高齢化の進展に伴う疾病構造と医療の在り方の変化、医師数の推移や地域における偏在性を説明。住み慣れた地域での医療や、地域で支える「地域完結型」の医療が今後ますます重要になるとし、「これからも、地域で医師を志す生徒を育てていただきたい」と期待した。
講演後は、事業の取組、医学部医学科への進学状況や今後の対応等に関して説明。道保健福祉部から、就学資金貸付制度などの情報提供が行われた。
最後に、各校の医学部医学科合格者の推移、本年度の取組、医学部医学科の合格者を増やす方策について研究協議を行った。
(道・道教委 2017-06-08付)
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