PTAアンケート結果―道教委 「平日の宿題」最も増加 学力向上に向けた取組要望(道・道教委 2017-06-08付)
本道の子どもたちの学力向上のため、保護者は学校に対し、「習熟度別少人数指導」「長期休業期間の補充的な学習サポート」「平日の宿題」などを求めていることが、道教委の二十八年度北海道の教育に関するPTAアンケート調査結果から明らかになった。特に、「平日の宿題」は、小・中学校ともに、二十七年度と比較して最も増加した。全国学力・学習状況調査の結果を分かりやすく説明しているかについては、「そう思う」「概ねそう思う」との回答が減少し、「あまりそう思わない」「思わない」が増加した。そのほか、土曜授業の実施などを求める声が寄せられた。
同調査は、教育の諸課題に関する児童生徒の保護者の意見や要望を把握し、「北海道教育推進計画改訂版」の推進管理や教育施策の改善に活用するもの。
調査項目は、①学校の学力向上の取組②いじめ問題の取組への評価③学校および教員の資質・能力や姿勢への評価④学校と地域の連携の状況に対する評価。
調査対象は、札幌市を除く道内の公立小・中学校一千三百六十五校(小学校八百六十一校、中学校五百四校)の単位PTA(PTA会長など保護者の代表)。
ことし一~二月にかけて実施した。
有効回収数は八百四十二件(小学校五百五十二件、中学校二百九十件)。回収率は六一・七%。
調査結果から、学力向上の取組についてみると、「あなたの学校は、読み書き計算をはじめとする基礎学力を身に付けさせていると思うか」との質問に対し、「そう思う」「概ねそう思う」が小・中学校いずれも九割を超え、前年度と比較し概ね横ばい。「そう思う」は小学校で三・一ポイント、中学校で三・五ポイント増加した。
「すべての子どもたちに基礎学力を身に付けさせるため、放課後や夏休み・冬休み期間に補充指導を十分に行っていると思うか」との質問には、「そう思う」「概ねそう思う」が小・中学校ともに約八割で、小学校が一・二ポイント増加、中学校が四・一ポイント減少した。一方、「思わない」「あまりそう思わない」は、小学校で一・二ポイント、中学校で二・五ポイント増加した。
「平日や週末に、宿題を出したり、宿題の点検をしたりする取組を、学校全体で行っていると思うか」に対する回答は、「そう思う」「概ねそう思う」が小学校で九二・六%、中学校では八七・二%。小・中学校ともに「そう思う」が小学校六・〇ポイント、中学校五・八ポイント増加した。
「学力向上のため、学校に取り組んでほしいこと」(複数回答)の質問では、小学校で「習熟度別少人数指導」が四九・三%と最多で、「長期休業期間の補充的な学習サポート」「平日の宿題」「放課後の補充的な学習サポート」「土日の宿題」と続く。中学校は、「習熟度別少人数指導」「長期休業期間の補充的な学習サポート」がいずれも五四%で、以下、「放課後の補充的な学習サポート」「平日の宿題」「土日の宿題」となっている。このうち、「平日の宿題」が小学校で一・八ポイント、中学校で二・五ポイントと最も増加。一方、「取り組まなくてもよい」が減少した。
「学校全体として、学習規律・生活規律がしっかりと指導されていると思うか」の質問に対し、「そう思う」「概ねそう思う」は、小・中学校ともに九割を超えた。小学校では、「あまりそう思わない」「思わない」が〇・四ポイント増加。一方で、中学校は一・八ポイント減少した。
「全国学力・学習状況調査の結果を、保護者に分かりやすく説明していると思うか」では、小・中学校ともに約八割が「そう思う」「概ねそう思う」と回答。小学校で三・四ポイント、中学校で三・一ポイント減少した。反面、「あまりそう思わない」「思わない」は、小学校で〇・七ポイント、中学校で二・〇ポイント増加した。
自由記述回答では、「一日の授業時間を増やすのではなく、土曜日午前中の授業を実施してほしい」「定数加配等によって、習熟度別少人数指導を積極的に行ってほしい」などの意見が寄せられた。
(道・道教委 2017-06-08付)
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