道教委が時間外勤務等縮減推進会議 保護者や地域の理解必要 部活動休養日設定の意義など(道・道教委 2017-06-12付)
労働時間の把握・記録方法も検討した
道教委は八日、道庁別館で二十九年度第一回時間外勤務等縮減推進会議を開いた。部活動指導の見直しや労働時間の把握・記録などについて協議した。部活動指導については「休養日の意義や必要性を保護者、地域に理解してもらう必要がある」などの意見が出た。また、パソコンの基本ソフト(OS)の基本機能を活用した労働時間の把握・記録方法について検討した。
会議には、学校や教育委員会、PTAの関係者など九人が出席した。
冒頭、佐藤寛教育部長があいさつに立ち、教育職員の時間外勤務縮減にかかわる国の動きなどを説明し、部活動指導の見直しや勤務時間の把握・記録などについて、活発な協議を行うよう求めた。
議事に入り、文部科学省が発出した通知「学校現場における業務の適正化に向けて」や、厚生労働省の「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」などの国の取組、また、本道における「教育職員の時間外勤務縮減」取組状況、本年度の時間外勤務等の縮減に向けた重点取組などについて協議した。
中では、事務局が、教育職員の時間外勤務等の縮減に向けた本年度の重点取組について説明。
①週一日程度の休養日の設定など「部活動指導の見直しにかかる申し合わせ」の徹底②変形労働時間制や週休日の振替など改正した制度の周知と有効活用③管理職員による業務管理・業務改善の取組の一層の充実④「定時退勤日」や「時間外勤務等縮減強調週間」などの一層の推進―の四つの重点に基づく学校と教育委員会の取組内容などを示した。
このうち、部活動の見直しについて意見交換し、出席者からは「週一日、部活動休養日を設けている。教育委員会からは、統一の休養日を設けた方がいいのか、意向を聞かれた。各学校で、部活動のグラウンドや体育館使用のローテーションを決めており、統一日を決められると混乱するのではないかとの意見が多かった」「休養日の設定の仕方について、その徹底の在り方や効果などを調べれば、参考になるのではないか。先行事例について知りたい」などの意見が出た。
部活動について、保護者や地域からは、その加熱を心配する声の一方、活動をもっと増やすよう求める声もあることを踏まえ「休養日の設定には、保護者や地域の理解が絶対に必要」「適切な休養を伴わない部活動は、弊害を生むので、生徒の正常な成長のため、休養日の意義や必要性を保護者、地域に理解してもらう必要がある」との指摘があった。
また、厚労省の「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」に、始業・終業時刻の確認・記録方法が示されていることを踏まえ、事務局がパソコンのOSの基本機能を活用した確認・記録方法を提案した。
Windows7以降のOSには、パソコンの起動・終了日時を自動的に記録する機能がある。この機能を使い、教員が出勤時にパソコンを起動し、退勤時に終了することによって、記録された日時を出力・提出することで、労働時間の確認・記録に利用するもの。
実際に職場で試してみたという出席者からは「特別な知識や操作がなく、簡単にできた」という報告の一方、パソコンの使用頻度・方法が一人ひとり異なることから、正確に労働時間を確認・記録するための工夫が必要との声も出た。
道教委では、これらの意見を踏まえ、労働時間の確認・記録をはじめ、時間外勤務等の縮減に向けた取組の検討や推進を進めていく考え。
(道・道教委 2017-06-12付)
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