【解説】移行措置の意見公募結果
(解説 2017-07-11付)

 文部科学省は七日、小・中学校学習指導要領改訂に伴う移行措置案に対する意見公募手続(パブリック・コメント)結果を公表した。

 公募は、ことし五月二十六日から六月二十五日まで実施。一千二百四十六件の意見が寄せられた。

 主な意見をみると、授業時数の特例について「総合的な学習の時間から十五時間を外国語、外国語活動に振り替えることができることに反対」との声があった。理由として、新学習指導要領で目指す「主体的・対話的で深い学び」を実現するために総合的な学習の時間の充実が必要なこと、また、コミュニティ・スクールで地域住民と子どもたちが出会い、学びを展開するのは総合的な学習の時間であり、その推進に影響が出ることなどが挙げられた。

 文科省は、それらの意見に対し「すべての学校に一律に移行期間における十五時間の上乗せを求めることは現実的ではない」ことから、今回の特例を設け、学校の裁量を拡大したと説明。「枠組みや裁量を踏まえ、各地域の実情に応じた教育課程を編成していただきたい」と求めた。

 総合的な学習の時間については、今回の改訂によって、あらためてその重要性が示されたと指摘。完全実施を見据え、質的充実を図ることを要請した。

 外国語については「十五時間という中途半端な時間で何を学ぶことができるのか」と批判し、時数増に反対する声もあった。

 それに対し、文科省は「中学年では、外国語に慣れ親しませ、学習への動機付けを高めさせる指導を行うこと、高学年では、現行の外国語活動の内容に加え、アルファベットの文字や単語などの認識や、語順の違いなど文構造への気づきといった最低限必要となる内容を指導する」ことを挙げ、そのために設定した時数だと説明した。

(解説 2017-07-11付)

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