【解説】地方教育費が2年連続増加
(解説 2017-07-14付)

 二十七年度に支出した地方教育費の総額は、前年度比〇・六%増の十六兆一千九百六十四億円となり、二十六年度に続き、二年連続で増加したことが、文部科学省の二十八年度「地方教育費調査」の中間報告で明らかになった。

 調査は、学校教育、社会教育、教育行政にかかる経費の状況を明らかにし、国・地方を通じた教育諸施策を検討・立案するための基礎資料を得るため、大学・短大を除く公立の学校、都道府県・市町村教育委員会を対象に、昭和二十四年度から毎年実施している。

 二十七年度に支出した地方教育費総額は十六兆一千九百六十四億円となり、前年度に比べ〇・六%、一千十八億円増加した。

 このうち、学校教育費は十三兆六千二百十三億円で、前年度から〇・九%、一千百五十一億円増加。財源別にみると、地方債を財源とする学校教育費支出の額が一・一%増の七千九百二十億円と過去最高となった。文科省は、教職員の退職手当にかかる地方債の起債が増加したためとみている。

 支出項目別では、消費的支出が十一兆三千八百四十八億円と、前年度に比べ一・五%、一千五百八十八億円増加。

 一方、資本的支出は三・八%、六百八十九億円減の一兆七千二百十二億円となり、四年ぶりに減少。これは、建築費が小学校で三・六%、中学校で五・二%、それぞれ減少したことによるもの。

 在学者一人当たりの学校教育費は、小学校が〇・八%増の九十四万七千円、中学校が一・三%増の百八万六千円、高校(全日制)が三・五%増の百十九万二千円。いずれも前年度に続き二年連続で増加した。

 社会教育費は一兆六千百四十一億円。債務償還費が平成に入ってから最少となるなど、前年度と比べ一・〇%の減少となった。

(解説 2017-07-14付)

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