【解説】若者の消費を特集―消費者白書
(解説 2017-07-06付)

 政府が先に閣議決定した二十九年版『消費者白書』では、成人年齢を十八歳に引き下げる民法改正に向けた動きが本格化する中、「若者の消費」を初めて特集。買い物の情報収集にインターネットを活用する人が多い反面、交流サイト(SNS)をきっかけとするトラブルが急増していると指摘している。

 消費者白書は、二十四年八月に改正された消費者基本法第一〇条の二の規定に基づき、政府が講じた消費者政策の実施の状況に関する報告書を毎年作成し、国会に報告するもの。

 五回目となる今回の白書は、若者の消費行動や消費者トラブルの実態について特集している。十代後半から二十代の若者からのSNSに関する相談件数は年々増加し、二十八年一年間で前年に比べ三三・九%、一千百十件増の四千三百八十七件にのぼり、五年前の約二・五倍に増えている。

 中でも、SNSでの広告やSNSで知り合った人とのやり取りからトラブルに巻き込まれるケースが目立つという。具体的には「初回お試し価格」などのSNS上の広告を見て健康食品を買うと、実は定期購入の契約になっていて、解約しようとしたが電話がつながらない、SNSで知り合った人からコンサートチケットを譲り受ける約束をして代金を払ったが、相手と連絡が取れなくなった、といった事例が紹介されている。

 消費者庁の「消費生活に関する意識調査」(二十八年度)によると、十五~二十五歳までの一日当たりのスマートフォンの利用時間は三時間以上が七三・〇%を占め、十三時間以上という回答も七・五%あった。

 白書では、若者の消費者被害の予防と対策に向けて、関係機関がより一層連携して消費者教育や啓発活動を行っていく必要があるとしている。

(解説 2017-07-06付)

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