【解説】所在不明児、全国28人
(解説 2017-07-05付)

 住民票があるのに自治体が居住実態を把握できない所在不明の子どもが六月一日現在で、十一都県に二十八人いることが、厚生労働省の調査で分かった。このうち、六人は調査が始まった二十六年度から行方が分かっていない。また、三人は過去に虐待の情報などがあり、事件に巻き込まれた可能性もあるという。各自治体は警察と連携し、安否の確認を続ける方針だ。

 調査は、昨年六月一日時点で、住民票はあるが、乳幼児検診を受けていない、学校に通っていないなど、連絡が取れない十八歳未満の子ども、本道の二十七人を含む一千六百三十人について、居場所の把握を進めてきた。

 ことし六月一日までに、自治体が家庭訪問したり、入国管理局に出入国の記録を照会したりするなどの調査を進めた結果、一千六百二人の所在が確認できた。

 このうち五十七人は、虐待の疑いがあり、児童相談所が緊急的に保護者から引き離す一時保護に踏み切ったケースもあるという。さらに、確認された子どものうち二人は、警察の事件捜査中に遺体で見つかった。

 残る二十八人(男子十五人、女子十三人)は所在不明で、小学校入学前が十七人、小学生三人、中学生五人、義務教育を終えた子どもが三人だった。兵庫が七人で最も多く、熊本五人、東京四人など。二十八人のうち三人は、虐待やその疑いに関する情報があり、十人は海外へ出国している可能性があるという。

 調査は今回が三回目。厚労省によると、二十六年十月時点の所在不明児は百四十一人で、二十七年にリストアップした分を調べ、昨年七月時点で確認した所在不明児は二十五人だった。このうち十一人は今回も不明のままで、さらに、うち六人は二十六年時点から所在が確認できない状況が続いている。

(解説 2017-07-05付)

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