【解説】アドレナリン自己注射製剤
(解説 2017-08-03付)

 アドレナリン自己注射製剤(商標名・エピペン)は、重篤なアレルギー症状アナフィラキシーに対する緊急補助治療に使用される。五分以内でアナフィラキシーのすべての症状を緩和する効果があり、持続時間は約二十分。緊急用であり、使用後は必ず病院へ搬送し、適切な治療を受ける必要がある。

 二十四年に東京都内の小学校で食物アレルギーのある児童が、学校給食を食べ終わったあとにアナフィラキシーショックで死亡した。症状が発生した際、児童はアドレナリン自己注射製剤を所持していたが、自分で注射することができず、現場にいた教師も即時に使用する判断ができなかったことが死亡原因の一つとされている。

 文部科学省は、食物アレルギー等のある児童生徒に対し、日本学校保健会発行『学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン』に基づく対応を要請している。「救命の現場に居合わせた教職員がエピペンを自ら注射できない状況にある児童生徒に代わり注射することは、医師法違反にならないと考えられる」「エピペンに関する一般的知識や処方を受けている児童生徒についての情報を教職員全員が共有しておく必要がある」などと説明している。

 文科省は二十七年、学校設置者、学校、調理場が、地域や学校の状況に応じた食物アレルギー対応方針やマニュアル等を策定する際の参考資料として『学校給食における食物アレルギー対応指針』を作成。組織的な食物アレルギー対応、ガイドラインに基づく対応などの指針を示した。

 本道でも、食物アレルギーのある子どもは、十六年からの九年間で二倍弱と増加傾向にある。学校では、子どもが安全に過ごすためアナフィラキシーへの対応体制の整備が求められている。

(解説 2017-08-03付)

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