【解説】国家公務員給与４年連続引き上げ

（解説 2017-08-10付）

　人事院は八日、国家公務員一般職の二十九年度給与について、月例給を〇・一五％、特別給（ボーナス）を〇・一月分引き上げるよう、国会と内閣に勧告した。月例給、ボーナスともに引き上げを求める勧告は四年連続。

　人事院では、国家公務員と民間の四月分の給与（月例給）を調査した上で、得られた較差を埋めること。また、特別給についても、民間の過去一年間の支給実績を把握し、民間の年間支給割合に国家公務員の年間支給月数を合わせることを基本に勧告を行っている。

　今回は、約一万二千四百の民間事業所の約五十三万人の個人別給与を対象に実地調査を実施。その結果、民間給与四十一万一千三百五十円に対し、国家公務員行政職（一）の現行給与は四十一万七百十九円で、六百三十一円、〇・一五％下回っていた。この較差を解消するため、人事院は、〇・一五％の引き上げを勧告した。

　ボーナスについては、昨年八月からことし七月までの直近一年間の民間の支給実績と公務員の年間支給月数を比較。民間の四・四二月に対し、公務員は四・三〇月と下回っていたことから、民間との均衡を図るため、支給月数を〇・一月分引き上げ、四・四〇月に改定。勤務実績に応じた給与を推進するため、引き上げ分を勤勉手当に配分する。

　勧告どおりに実施されると、行政職（一）の平均給与は、年間で五万一千円増の六百七十五万九千円となる。実施時期は、月例給がことし四月一日、ボーナスが法律の公布日。

　三十年四月一日から実施の給与制度の総合的見直しでは、本府省業務調整手当額を引き上げ。また、経過措置の廃止などに伴って生じる原資を用いて、若年層を中心に、二十七年一月一日に抑制された昇給を回復する。

(解説 2017-08-10付)