北広島市教育研究会と北広島市教委　兵庫教育大院・日渡教授が講演　新学習指導要領の理解深化

（市町村 2017-08-10付）

日渡教授は、新学習指導要領の実施に向けた教職員の役割などについて説明した

　北広島市教育研究会（大西二生会長）と北広島市教委は七月二十八日、市ふれあい学習センターで二十九年度夏季特別研修会「パワーアップセミナー」を開いた。兵庫教育大学教職大学院の日渡円教授が「新学習指導要領と教職員の資質向上について」と題して講演。市内小・中学校の教員や市教委職員など約百五十人が参加し、新学習指導要領の実施に向けた教職員の役割などについて理解を深めた。

　市立小・中学校の教職員の資質向上を目指し、指導力の向上を図るとともに、見識を深めることによって、各校における授業実践力や児童生徒への指導力の向上を図ることが目的。

　冒頭、大西会長があいさつ。三十年度から同市で実施する小中一貫教育や新学習指導要領など、様々な教育施策の実施に向け「もう一歩踏み出せる研修になるのでは」と期待した。

　続いて、吉田孝志教育長があいさつに立ち「きょうの学びを自分のものにするとともに、学校現場に根付かせるために生かしてほしい」と呼びかけた。

　このあと、日渡教授が「新学習指導要領と教職員の資質向上について」と題して講演。

　日渡教授は、教員の資質向上が求められていることを踏まえ、教育の目的を理解することの必要性を指摘。教育の目的を「人格の完成」「国家や地域社会の形成者の育成」の二点と説明し「これを確認した上で、自分の教育論を展開しなければならない」と強調した。

　その上で、教育の目的を達成する場所として「学校」「家庭」「地域社会」の三点を提示。基本的な生活習慣の定着において家庭教育が大きな責任をもっていることや、地域の活性化のため、学校は家庭・地域社会と連携し、どのような子どもを育成するかという目標を共有することが重要と説明した。

　また、学校の役割について、教育の目的の達成に向けた「知識」と「価値観」を教える場だと位置付けた上で、学習指導要領の改訂を「知識ではなく、価値観を変えること」と説明。「知識ベースで今回の改訂をとらえずに、価値観をみてほしい」と呼びかけた。

　そのほか「個性的で多様な社会」が求められていることにふれ、教員も学校の特色づくりに取り組むことや、創意工夫を凝らすことで「子どもの個性を発見して、伸ばしていかなければならない」と訴えた。

(市町村 2017-08-10付)