各管内の外国語活動時数増加への対応―本紙調査
(市町村 2017-08-14付)

◆長期休業削減も視野に 胆振管内11市町教委

 【室蘭発】胆振管内十一市町の新学習指導要領移行期間における外国語活動の時数増加に対する検討方針が本紙調査でまとまった。伊達市教委では、市内十校の実授業時数を調査した上で、現状の授業時数の中に組み込むことや、長期休業を三日程度カットすることなどを検討。厚真町教委では町独自教科「コミュニケーション科」の時数活用を検討している。

 三十二年度の新学習指導要領開始に備え、胆振管内の各市町では、移行期間中に十五時間増加する外国語活動への対応方針を検討している。

 伊達市教委では、市内の小学校十校の実授業時数調査を開始。現状で標準時数より多く授業が行われている場合は、その分の時間を外国語活動に充てることを検討している。多く行われていない場合は、週当たり二十八時間の授業時数を二十九時間に延ばすことや、土曜授業の実施、夏休みなど長期休業の削減を検討。現時点では長期休業の削減が有力となっているが、関係機関とも協議した上で決定する考え。

 厚真町教委では、文部科学省から教育課程特例校の認可を受けて二十七年度から行っている「英語活動」「コミュニケーション科」の時数活用を検討。今後、校長会など関係機関との協議によって詳細を詰めていく。

 また、三十年度までに「移行カリキュラム」を作成。三十一年度から実施することで、新学習指導要領開始時にスムーズな移行を行えるよう体制を整える。

 苫小牧市教委では、週当たりの授業時間数を一時間増やし、二十九時間とする方向で検討を進めている。最終的な決定は今月中となる見通し。

 壮瞥町教委では、町内に二校ある小学校のうち一校で週当たりの授業時数増加を検討。もう一校については、長期休業の削減を検討している。

 このほか、室蘭市、登別市、洞爺湖町、豊浦町、白老町、安平町でも関係機関との協議を行い、時数増への対応を検討している。

◆函館は年内に方向性提示 渡島管内11市町教委

 【函館発】新学習指導要領移行期間における外国語活動の時数増への対応について、渡島管内十一市町教委の現段階での対応方針が本紙調査でまとまった。函館市教委では、関係機関や学校と連携を図りながら、検討を進めていく方針。市教委の田中登教育指導課長は「来年からの対応に向けて、十二月までに方向性を示し、円滑な活動の実施につなげていきたい」と話している。

 函館市では、市教委と関係機関を中心に時数に関する検討を進め、年内には対応の方向性を示す予定。また、来年度からの指導の充実に向けて、年内に英語や新学習指導要領に関する研修会を開き、教職員の能力向上も図っていく。

 北斗市教委では、指導主事や市内の校長会などが協議を行っているが、具体的な対応策はまだ決まっていない。

 九月には、市内の小・中学校の職員を対象にした全体研修会を開催し、授業の実施に向けて、資質・能力の向上を図っていく。

 七飯町教委では、秋ころから、町内の主幹教諭などが中心となって協議し、対応策を検討していく。

 八雲町教委は、町の校長会や教頭会と協議しながら、方針を固めていく方針。

 そのほか、松前町、長万部町、鹿部町、木古内町、福島町でも、時数増加の対応に向けて検討を進めている。

◆帯広は校長会PTで検討 十勝管内19市町村教委

 【帯広発】新学習指導要領移行期間における外国語活動授業時数増への対応に関し、十勝管内十九市町村教委の現段階での対応方針が本紙調査でまとまった。帯広市教委では、校長会に設置している教育課程プロジェクトチーム(PT)や毎年設置している教育課程検討委員会の中で検討し、時数増の方向性や外国語科を含めた教育課程を総合的に見直していく方針。鹿追町では、文部科学省から指定を受けて小中高で取り組んでいる「地球コミュニケーション」と関連付けて検討を進める。

 時数増への対応について、帯広市教委では、本年度から市校長会に教育課程PTを設置し、時数増の方向性などの検討を進めている。また、本年度の教育課程検討委員会を九月上旬に開き、外国語科をはじめとする教育課程を総合的に見直していく。

 さらに、市教育研究所では、ことし四月に市内の明星小学校を「指定研究実践協力校(外国語)」に指定。研究所独自の外国語にかかわるビデオ教材の研究を進めるなど、明星小を中心に小学校における外国語科、外国語活動の授業づくりや指導方法の在り方などについて探っていく方針だ。

 鹿追町は、十五年度から文科省の指定を受けて取り組んでいる研究開発「地球コミュニケーション」と関連付けて検討を進める。

 士幌町、池田町では、いずれかの形で時数を確保し、三十二年度の全面実施に向けた成果と課題を洗い出す考え。

 このほかの町村においても、関係機関と連携しながら、時数増への対応に向けて検討を進めていく。

(市町村 2017-08-14付)

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