道相研が第４６回研究大会　〝共に生きる子〟育成を　講演や研修講座通し研鑚

（関係団体 2017-08-14付）

１３０人が参加した研究大会

　道学校教育相談研究会（＝道相研、栁澤伸寿会長）は七・八日、札幌サンプラザで第四十六回道学校教育相談研究大会札幌大会を開いた。二日間で約百三十人が参加し、研究主題「自己を見つめ、違いを認めて、共に生きる子を育てる学校教育相談～しなやかに生きる人間関係の醸成・コミュニケーション能力の育成」のもと、講演や研修講座を通して、研鑚を深めた。

　初日の開会式では、栁澤会長（札幌市立発寒中学校長）があいさつに立ち「子どもたちに必要な資質・能力が〝二十一世紀型能力〟としてまとめられ、道具や身体を使う基礎力、深く考える思考力、未来をつくる実践力の三つが挙げられている」と述べたほか、研究主題に掲げる「しなやかに生きる人間関係の醸成」「コミュニケーション能力の育成」の重要性を挙げた。

　また、子どもたちを取り巻く生活には、不登校や発達障がい、いじめ、虐待など、様々な今日的な課題があると指摘。

　その解決のために「私たち教師が、学校としてチームを組み、関係機関とつながりを深め、情報を共有しながら、適切なかかわり方や様々な手法を学ぶことが必要」と述べた。併せて「心理的事実を受け止め、客観的事実を指導するという生徒指導の基本の流れを踏まえつつ、個に応じた指導のスキルを教師自身が身に付け、個を取り巻く集団を高める手法を学ぶ必要がある」と呼びかけた。

　さらに「参加した皆さんが、新しい出会いや学びを通して自分自身を高め、北海道全域に教育相談の心が広まっていくことを願っている」と述べた。

　開会式後、神田外語大学の嶋﨑政男客員教授が「生徒指導の新たな課題と学校教育相談の役割～言葉のマネジメントを振り返る」と題して講演。学校教育相談に関する国の動向や、生徒指導・学校教育相談の新たな課題と基本姿勢、具体的場面における〝言葉のマネジメント〟などについて、演習も交えながら解説した。

　二日目は「自閉症スペクトラム障害をめぐる課題～当事者の視点に立った支援とは」「つまずきをもつ子どもたちの支援を考える～医療の立場から」「主体的な行動を引き出すコーチング～相手の自主性を尊重するコミュニケーションの在り方」「認め合い、支え合い、高め合う学級を目指して～Ｑ―Ｕ結果＆グループアプローチの活用」の四つの研修講座を行った。

(関係団体 2017-08-14付)