名寄市特別支援連絡協セミナー開く 子の活動、大人が一緒に 筑波大名誉教授・前川氏ら講演(関係団体 2017-08-22付)
市内小・中の教諭などが参加し、実践的な知識を学んだ
【旭川発】名寄市特別支援連絡協議会は三日から二日間、名寄市立大学図書館で第一回特別支援教育コーディネーター養成セミナー「子どもの認知と学習」を開いた。名寄市立大学コミュニティケア教育研究センターとの共催。市内小・中学校などの教諭や同大の学生などが参加した。筑波大学名誉教授の前川久男氏らによる講演などを通して、特別支援教育にかかる専門的な知識や、実践的に活用できる指導法などについて理解を深めた。
同協議会は、福祉・医療、労働関係者、保護者、教育関係者などで構成。障がいのある児童生徒の社会参加に向けて、一人ひとりの教育的ニーズに応じた適切な教育的支援を行う特別支援教育の推進に努めており、教員向けの研修会を毎年度、開催している。
同セミナーは、同協議会に参画する名寄市立大教員が企画。市教委の了解を得て、同協議会の主催とした。上川北部地域九市町村の小・中学校などに在籍する幼児児童生徒の発達支援の充実に資することが目的で、名寄市立大コミュニティケア教育研究センター研究事業の一環として行った。
初日、筑波大名誉教授の前川氏が「認知に基づいた指導支援(理論・概念)~Vygotskyの知覚と行為が情動により統一されたものとしての意味から」と題し講演した。「人や動物は、知覚で感じ取り、それを行為として起こすことで、情動となって表れてくるもの」と述べ、旧ソ連の心理学者レフ・ヴィゴツキーの理論を交えて子どもたちの言語と心理について解説。子どもが苦手とするものを大人がサポートするためには「子どもたちにとって“好き”という情動を感じさせることで、その子どもたちの“やる気”につながる」と説いた。
また、コミュニケーションの図り方について解説。言語以外の行動などで示す活動として、“情報伝達機能”“情動喚起”などの手段で「意思を伝えることができる」とした。一方、言語を活用した活動では「理解しているか分からない状態でも呼びかけや声かけを繰り返し行うことで言葉の理解を図れる」と話した。
今後、支援に取り組む際「子どもたちの活動を大人が一緒になって取り組んであげてほしい」と呼びかけた。
このあと、筑波大の岡崎慎治准教授が「認知教育的観点に基づく指導支援」をテーマに講演した。
二日目は、名寄市立大保健福祉学部の瀬戸口裕二教授が「理論を明日からの実践に生かす」をテーマに講演した。
セミナー終了後、参加者からのアンケートには「幼児期の大人とのかかわりの大切さを感じた」「子どものできないところではなく、できているところやもっている力に目を向けてかかわっていくことの重要性がよく分かった」などと感想が寄せられた。
名寄市立大の瀬戸口教授は「今後、このセミナーを大学の授業の一つとしていきたい。そのためにも、参加者を研究生として受け入れていければ」と話した。
(関係団体 2017-08-22付)
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