空知校長会50周年記念研究大会 新しい社会に挑む子を 講演会、分科会などで研鑚(関係団体 2017-08-31付)
会員約100人が参加した
【岩見沢発】空知校長会(河原政志会長)は八月上旬、岩見沢市内のホテルサンプラザで結成五十周年記念第五十五回研究大会を開催した。「新たな知を拓き、人間性豊かな社会を築く、日本人の育成を目指す学校教育の推進」を基本主題に講演会や分科会を実施。会員約百人が同会五十年の歴史を振り返り、職能向上と管内教育の充実発展を目指して研鑚を積んだ。
本年度は、第五次三ヵ年計画の一年目。基本主題のもと、副主題を「ふるさと空知から世界を見つめ、新しい社会の形成に向けて挑む子どもを育てる学校経営の推進」と設定した。
冒頭、河原会長があいさつ。今日的な教育課題として、学校組織の構造転換や新学習指導要領などを挙げ「スピード感のある対応が求められている」と述べた。
その上で「児童生徒の知・徳・体の調和のとれた成長を促し、人格の完成を目指すという学校教育の使命を自覚し、学校経営にかかわらなくてはならない」と強調。確固たる信念と先見性を身に付け、空知の教育の充実発展に強いリーダーシップを発揮する機会となるよう期待した。
また、空知教育局の小山茂樹局長、管内市町教育委員会教育長会の松山徹会長が登壇。うち、小山局長は「全国学力・学習状況調査の結果を踏まえた学力向上の取組」「社会に開かれた教育課程の実現」を求め、「共通理解と相互連携を深めていただきたい」と呼びかけた。
続いて、二十九・三十年度の全道・全国大会における提言発表の進捗状況を説明。岩見沢市立北村中学校の出口哲也校長は「豊かな心と健やかな身体を育む教育の充実」を研究主題に、小中や地域と連携した取組を進めてきたことなどを説明した。
記念講演では、㈱クリエイティブオフィスキュー代表取締役の伊藤亜由美氏を講師に招へい。「仲間の力を引き出し、活かす~北海道の魅力でコンテンツを強化」と題し、地域の特長を生かした経営マネジメントの例を示した。
伊藤氏は、道内を舞台とした映画の制作に携わった際、外部の人から地域の魅力に気づかされたことを紹介。地域活性化に向けて異なる目線・視点をもった人々の大切さを強調するとともに「北海道を子どもたちが誇れる地、帰ってくる地にしていかなければ」と語った。
引き続き、分科会を実施。第一分科会では、テーマ「創意と活力にあふれた組織・運営体制を築く学校経営」のもと、学校評価を生かした開かれた学校づくりに関する研究協議を行った。
第二分科会では「質的向上を目指すカリキュラム・マネジメントと学校経営」について協議。第三分科会は「教職員の資質向上を担う協働体制を構築する学校経営」をテーマに、指導力と意識改革を促す研修の充実などについて話し合った。
第四分科会は、「学校の安全・安心の確保を目指す学校経営」として児童生徒の健全育成と危機管理の推進、第五分科会では「新たな教育課題に対応する学校経営」として勤労観・職業観がもてる社会形成能力の育成を視点にそれぞれ協議した。
◆結成50周年記念式典 新たな歴史へ140人が誓い
研究大会に引き続き結成五十周年記念式典を執り行った。会員のほか、管内各市町教委の代表など約百四十人が参加。節目の年を祝うとともに、新たな歴史を築くべく気持ちを新たにした。
はじめに河原会長が式辞。現在に至るまで、次々と押し寄せる教育課題に直面しながらも、校長による学校の特色を生かした教育の営みが続けられてきたことにふれ「管内の教育は確実に正常化が進んでいる」と述べた。
今後は「あらためて大同団結したときの熱い思いを再確認し、結束を一層強化することが新たな課題解決に向けての力となる」と強調。「学校経営の責任者、空知教育のけん引者として努力を続けていく」と決意を新たにした。
続いて、河原会長が歴代会長十人に感謝状を贈呈。代表として第二十五代会長の長根輝義氏に感謝状を手渡し、同会発展の礎を築いた功績をたたえた。
祝辞に立った空知教育局の小山茂樹局長は、同会設立当時の状況を振り返るとともに「将来をたくましく生き抜く人材の育成がますます重要になる」と強調。「未来に生きる子どもたちに必要な資質・能力を明確にした上で、社会とのつながりを重視しながら学校の特色づくりを一層進めるなど、社会に開かれた教育課程の実現に努めてほしい」と呼びかけた。
このあと祝賀会に移り、親睦を深めた。
(関係団体 2017-08-31付)
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