道教育大青陵会が研究大会開く 資質向上へ研鑚深める 80人参加し実践発表など
(関係団体 2017-08-29付)

道教育大青陵会研究大会
実践発表・講演を通し資質の向上を図った

 【岩見沢発】道教育大学青陵会(早瀬公平会長)は八月中旬、岩見沢市内のホテルサンプラザで第四十四回研究大会を開いた。約八十人が参加。岩見沢市立明成中学校の西尾綾太教諭が「ピア・サポートがもたらす生徒の変化」と題して実践発表を行い、生徒の良好な人間関係を構築し、話し合い活動を円滑に行うため実施している実践を紹介。また、道立教育研究所研究・相談部の潟沼史朗研究研修主事が「これからの小学校外国語教育」と題して講演し、小学校外国語教育の目標や内容への理解、授業づくりのポイントなどを示した。参加者は資質向上に向け熱心に聞き入っていた。

 開会式であいさつに立った早瀬会長は、実践発表と講演の概要を紹介した上で「わが国のこれからの進む道をとらえた、とても意義のあるもの」と充実した大会となるよう期待した。

 全体会では、明成中の西尾教諭が実践発表。ピア・サポートについて「子どもたち同士で相互に支え合う活動を通して、思いやりのある子どもを育てるとともに、思いやりのある学校風土をつくっていく活動」と定義。明成中でピア・サポートを導入した背景について、研究主題「確かな学力が身に付く授業の創造~知識・技能を確実に習得し、活用する力の育成」に迫るため、学習過程の工夫、共同学習の概念を生かしたグループ学習、言語活動の充実を進めるに当たり、「ピア・サポートを通した生徒相互の人間関係づくり、コミュニケーション力の育成が欠かせないと考えた」と語った。

 導入した成果として「生徒同士の良好な関係の構築」「授業に参加する姿勢の変化」「生徒の自己肯定感や学級への所属感の高まり」「ほかの人の意見を聞こうとする姿勢の高まり」を挙げた。

 続いて、ピア・サポート体験として、基本的な授業の流れのうち、アイスブレイクとエクササイズを大会参加者全員で実践。最後に「良好な人間関係の育成はピア・サポートだけでは不十分で、コミュニケーションの量を一層確保しなければならない。その量を確保できるのは授業。どの教科でも話し合い活動を確保する授業スタイルの統一を図り、明成スタイルとして実施している」とまとめた。

 実践発表のあと、道研の潟沼研究研修主事が講演。小学校外国語教育について「グローバル化した社会の中で自分の意見がしっかり言える人材を育成」などと導入の経緯にふれながら、外国語活動の成果として、中学生の外国語に対する積極性が向上していることなどを示し「高学年は、児童の抽象的な思考力が高まる段階。より体系的な学習が求められる」「良好な学校間の接続」を課題に挙げた。

 続いて、道研が作成した英語(小学校における外国語活動・外国語、中学校における外国語)の五つの領域別の「聞くこと、読むこと、話すこと(やりとり、発表)、書くこと」の目標一覧を示し、ポイントを説明。「新学習指導要領で高学年に導入される“読むこと”“書くこと”は慣れ親しませる段階であることに留意したい」などと指摘。

 さらに、小学校外国語活動と外国語の授業づくりのポイント、「主体的・対話的で深い学び」の実現に向けた授業づくりの視点などを説明するとともに、評価について「九月ころに移行期間における評価が通知される見通しで、振り返りカードによる評価の工夫、児童の学年末の目指す姿をイメージしたCAN―DOリストの作成に取り組んでおくとよいのではないか」との考えを示した。

(関係団体 2017-08-29付)

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