北理研が研究大会・総会開く 講演、研究協議などで研鑚 未来を拓く教育目指す(関係団体 2017-09-01付)
150人が日々の授業・研究成果の交流を図った
【函館発】道高校理科研究会(=北理研、梅原宏之会長)は八月上旬の三日間、函館市国際水産・海洋総合研究センターなどを会場に、第六十回道高校理科研究大会兼二十九年度総会を開いた。大会主題「未来を拓く理科教育」のもと、公私立高校の教員など約百五十人が参加。講演や研究協議などを通して、研鑚を積んだ。
同大会では、大会主題「未来を拓く理科教育」に加え、副題に「科学的な自然観を育成する授業の研究と実践」「知識や技能を活用する授業の研究と実践」「主体性・協働性を重視した探究活動の研究開発」「確かな学力を育成する教育課程の調査研究」「ICTを活用した多氏な授業方法の研究開発」の五つを設定している。
初日の開会式では、梅原会長が登壇。高校の学習指導要領の改訂に向けて「組織的な研究と対応を会全体で推進する必要性」を強調。その上で「全道から先生が集まる貴重な機会を、今後の指導に生かしてほしい」と呼びかけ、充実した大会となるよう期待を示した。
引き続き、本年度の教育功労賞と研究奨励賞の受賞表彰式を執り行った。各部門から四人が選出され、梅原会長が表彰状を手渡し、研究の成果をたたえた。
受賞者を代表して、稚内高校の磯清志教諭と函館大学付属柏稜高校の熊谷悟史教諭が登壇。磯教諭は受賞を喜ぶとともに「積極的に意見を交わし、道全体の教育力の向上と研修の発展につなげていきたい」と大会への意気込みを話した。
部活動での指導能力と成果が認められた熊谷教諭は「クラブでの指導を通して、生徒に学ぶ姿勢を身に付けることができた。今後もその姿勢を大事にしながら、日々の授業に励んでいきたい」と今後の指導に向けて意欲をみせていた。
このあと、二十九年度の総会を実施。昨年度の会計監査報告や本年度の予算案、事業予定の報告が行われ、一括で承認した。
総会終了後には講演会を実施。山梨県富士山科学研究所の吉本充宏主任研究員が講師を務め「北海道駒ヶ岳火山の噴火と災害」を演題に講話した。
吉本氏は講演の中で「日本全体でも火山噴火が原因の死者数は過去六十年間で二百人ほどだが、発生件数が少ないことで急な対応への理解が薄い」と話し、火山の活動が長期間に及ぶことで、周辺の市町に経済的な損失が生まれることなどを解説した。そのほか、駒ヶ岳の歴史や現状、日本での過去の噴火が発生した際の様子なども紹介した。
講演後には、物理・化学・生物・地学の四分野でポスターセッション形式の理科授業実践広場を実施したほか、各分科会でテーマごとに研究協議と研究発表を行った。
二日目と三日目は「大沼の自然と駒ヶ岳」をテーマに、大沼国定公園や駒ヶ岳の火口付近での巡検を実施した。
(関係団体 2017-09-01付)
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