札幌市の第3次食育推進計画素案 若い世代の食育に重点 高校生向けの食生活指針を作成(市町村 2017-09-12付)
札幌市は第三次食育推進計画の素案をまとめた。基本理念「食を通して豊かな人間性を育む」のもと、健やかで心豊かな食生活の実現などを目指すもの。重点取組には若い世代を中心とした食育の推進などを掲げ、近い将来ライフスタイルが変化する可能性のある高校三年生に向けた「高校生のための食生活指針」などの作成を新規事業として盛り込んだ。
札幌市では、十七年六月に国が制定した食育基本法などに基づき、二十年九月に「札幌市食育推進計画」を策定。二十四年度には五ヵ年計画の第二次食育推進計画を策定し、朝食を食べる人の割合が増加するなどの成果を上げてきた。
第三次食育推進計画は、第二次計画の課題などを整理し、二十八年に国が策定した第三次食育推進基本計画に基づいて、市の食育に関する取組を総合的かつ計画的に推進するもの。計画期間は三十年度から三十四年度までの五年間で、社会情勢の変化などによって見直しが必要な場合は、食育推進会議の意見を踏まえ、必要な措置を講じることとしている。
素案では、市の食育に関する現状と課題について、小学生の朝食欠食・孤食が増加傾向にあることや、食育に関心のある人の割合が直近値で〇・五ポイントしか増えていなかったことなどを挙げた。計画推進に当たっての指標には、幼児・児童・中学生以上の三つの年代における野菜摂取量の目標値などを新たに加えた。
基本理念には「食を通して豊かな人間性を育む」を提示。適切な食品を摂取するための判断力や技術を養い、健全な身体を培うとともに、食に関する人々の努力などを理解し豊かな心を育てることを目指す。
また、基本目標として、①健やかで心豊かな食生活の実現②食の循環や環境・安全を意識した食生活③食文化の継承と食育推進体制の整備―の三点を示した。
このうち、①の重点取組では「若い世代を中心とした食育の推進」などを掲げた。新規事業として、学生ボランティアが主催する食育活動の支援のほか、「高校生のための食生活指針」を三十年度に作成し、近い将来一人暮らしなどでライフスタイルが変化する可能性のある高校三年生を対象に配布することなどを盛り込んだ。
このほか、③の重点取組のうち「地域における食育推進体制整備」では、ことし、日本栄養士会が八月四日を「栄養の日」と制定したことから、毎月四日を「栄養の日」として設定。毎月一日の「野菜の日」、毎月十九日の「食育の日」と併せ、様々な食育媒体を使い啓発していく予定だ。
今後は、十二月から三十年一月までパブリックコメントを実施し、寄せられた意見などを参考に最終案を作成。三十年三月の計画策定を予定している。
(市町村 2017-09-12付)
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