小中高で英会話一貫教育 夕張市の英語教育、道内初の試み
(市町村 2017-09-12付)

 【岩見沢発】夕張市は、市内小・中学校から夕張高校まで一貫して使用する「マンツーマンオンライン英会話システム」を本年度から導入する。「グローバル人材育成を核とした教育環境魅力化プロジェクト」の一環。小中高一貫で英会話教育を進めるねらいで、道内では初めての試みという。また、夕張高に公設塾を開設し、様々な分野で功績を挙げた人を講師に招く「キセキの授業」を行い、生徒の〝夢の実現〟をあと押しする。

◆魅力的な夕張高へプロジェクト推進

 市は、子育て世代、若者の市外流出などの人口減少、少子高齢化、厳しい財政状況などを踏まえた上で、地域再生の鍵の一つとして、「グローバル人材育成を核とした教育環境魅力化プロジェクト」を始動。ゼロ歳から十八歳までの教育環境を魅力的なものにすることを目指す。

 具体的には、本年度からマンツーマンオンライン英会話システムを市立ゆうばり小学校、市立夕張中学校、道立の夕張高で導入。外国人講師がオンラインで児童生徒にマンツーマンで英会話を指導し、英語力を磨く。本年度は小学五年生から高校生を対象に始め、来年度からは小学三年生まで広げ、高校まで十年間の一貫教育として進める予定。また、小学校では本年度からタブレット四十台を導入するなどの教材教具整備事業、三十二年度からは英検受験支援を計画している。

 また、市は夕張高の支援を続けてきており、企業版ふるさと納税などを財源とした「夕張高校魅力化プロジェクト」を推進。二十八年度から資格取得や部活動強化を支援している。今回、魅力化プロジェクトをバージョンアップさせるのに伴い、四日には鈴木直道市長と夕張高の合浦英則校長が市と高校との事業分担について定めた魅力化創出に関する協定を締結した。

◆高校に公設塾、著名人が授業

 また、夕張高に本年度から公設塾を開設。確かな学力と自分の道を切り開く力を養い、夢の実現に挑戦できる力を付ける場として設けるもので、著名人らを招き、授業をしてもらう。現在、講師を選定中だが、来年一月のプレオープンを目指している。

 このほか、来年度から自主研修事業、海外短期留学支援、入学時諸費補助の導入を予定。さらに、夕張だからこそ学べる独自プログラムの創設も検討している。

 市では、こうした取組を通して、英語力、コミュニケーション能力、課題探求力・解決力などを身に付け、グローバルに発信できる児童生徒の育成を進めていくことにしている。

(市町村 2017-09-12付)

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